学級通信たまに教育雑感ブログ

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【学級通信】(第018号)はじめての文化祭が終わる

はじめての文化祭が終わる

劇場

キイロイトリさんによる写真ACからの写真

 文化祭が終わりました。前にも話したかもしれませんが、文化祭は、行事の中で一番難しいと思います。それは、やることが多岐に渡るからです。

「大縄するぜ!」
「この曲を歌うよ!」

とか、明確なものが決まっていない。しかも、それぞれが役割分担にしたがって手探りで動かなきゃならない。さらに、

一生懸命やる人もいれば
何となくやる人もいれば
文句ばっかり言う人もいれば
全く手伝わない人もいれば

…と十人十色。くわえて、部活でも発表や公演が重なったり、委員会での仕事が忙しくなったりで、(あーもうーこんなクラスやってられない!他のクラスに行きたい)とかなったりします。

さあ、どうですか?(あー自分のことだわ…)ってなった人いますか?(笑)。

まあ、文化祭(他の行事も多かれ少なかれ同じ)では、だいたいこういう雰囲気を経験します。じゃあそれが悪いのかというとそんな事はないです。なぜなら、生徒の皆さんが経験したそれは、そのまま世の中の現象と同じですから。世の中では、仕事内容は多岐に渡り、やり方など明確に決まってないことだらけです。何人かが集まって部署やチーム単位で働いたりしますが、大人であっても一生懸命やる人も、全く手伝わない人もいます。で、(あーもうこんな会社やってられない!どっかいい会社に移りたい!)とかなったりします。

さあ、どうですか?(あーこれうちの職場の事だわ…)ってなった保護者の方いますか?(笑)。

まさに学校は社会の縮図です(教育学者:ジョン・デューイ)。

ja.wikipedia.org

そんな感じの文化祭ですが、一度やってみると予想できるようになります。はじまるまではクラス公演なんて2日間で1公演でいいのに…とか、公演なんてめんどくさいからやりたくないって思っていたかもしれません。しかし、2日目にもなれば、もっと公演数増やして良いかも、こんなにお客さんが来てくれるなら、もっと練習しておけば良かった、私も出演したかった…と、思った人もいるはずです。私ですら皆さんと一緒に歌いたかったですし(笑)。

私が今回の文化祭で誇りたいのは、1年生の2クラスが公演をしたことです。これは今までほとんどないことです。クラス演劇なんて私はこの学校で初めて見ました。

「クラスで公演をするのはかなりの難しさがあります」

部活と違ってやることが明確ではないですし、男女などの個人差は大きいですし、部活の公演の時間との調整も必要ですし…。クラス40人が一つの時間に一つの目的で集合するのは本当に難しいことです。それがたかが30分でもです。なので、それを成し遂げた2クラスは本当に素晴らしいと思います。心から拍手を送ります。

最後に、文化祭中に見られた印象に残ったことを紹介します。

「担任は何か手伝いますか?」

と聞いたら。

「大丈夫です。先生は差し入れ係をお願いします」

と、自分たちの力でやるんだという覚悟を見せてくれた学級委員さん。そんなん言われたのは教員生活で初めてです。思わず隣の席の先生に自慢しました(そして私は差し入れ係まっとうしました(笑))。友達の代わりに受付でスリッパ担当になり、来校者一人一人にスリッパを並べて出すというオモテナシをしたHくん。

「他の生徒は気が利かないけど、彼はすごいです」

と受付の先生から報告を受けました。機材運びを手伝ってくれた他クラスの生徒もいました。

「先生、彼はこの文化祭で20回以上も演奏して疲れてるんで、楽器は自分が運びます」

って言ってくれたY君。担任は、キュン死にしそうになりましたよ。

他にも私が見えていない所で頑張っていた人はたくさんいたと思います。クラスだけでなく、部活や委員会で活躍した人もいたと思います。この紙面で褒めてあげられなくてスミマセン。何はともあれ、無事に文化祭を終えられてホッとしています。とりあえず眠い…(明日も明後日も部活の人…頑張れ)