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【学級通信】(第110号)ディズニーとニコ超

ディズニーとニコ超

お弁当

先日、高校最後の遠足が終わりました。皆さん、ディズニーシーはいかがでしたでしょうか?東京の高校の遠足といえば、

●1年→クラスの親交を深める目的で、BBQメインのバス旅行。

●2年→修学旅行の練習を兼ねて、羽田集合からの横浜巡りか、東京めぐり。

●3年→クラス関係なく、「もう好きにしなさいよ」って感じで、ディズニーランドかディズニーシー。

というのが鉄板です。私は「前年通り…」というのがつまらないと思うタイプなので、本当はニコニコ超会議に行きたかったです。しかし、ディズニーという巨大資本の前には、あのKADOKAWAでさえも勝てませんでした…残念。まあディズニーもニコ超もそれぞれの味があるので良しとしましょう。

遠足がディズニーとなってしまったので、ニコ超へは部活の生徒と行って来ました。目的は「日本の新しいICT文化を学ぶ」です。チケットは前売りで1,800円。ちなみにディズニーは遠足割引で3,900円。通常価格だと高校生は6,400円です。場所はディズニーが舞浜、ニコ超は海浜幕張幕張メッセ)なので20分くらいの違いです。一緒に行ったコンピューター部員が

「せんせー知っていますか?幕張で降りるか?降りないか?で同志かどうかがわかるんすよ」

と言っていました。この日は、電車の段階から選別が行われているようです(笑)。

駅から幕張メッセまで歩いているときのワクワク感、そして会場に入ったときのテンションがアガる感じは、オジサンになっても変わらないものだと改めて認識しました。このあたりはディズニーも同じだと思います。舞浜からのワクワク感。入場と同時にアガるテンション。イベントやテーマパークあるあるなのだと思います。(今、ディズニーリゾートラインでこの文章を書いていますが、どっかの女子高生のテンションが高すぎで、超声がデカいです…恐るべしディズニーリゾート!)

ディズニーは夢の国的なコンセプトがありますが、ニコ超は基本的に何でもありのイベントです。超OOというブースがいくつもあります。私が見ただけでも、超鉄道、超歌舞伎、超テクノ法要、超ボカロ、超コスプレ、超将棋、超音楽祭、超ゲームエリア、超アベンジャーズ、超動画絵師展…などなど。書ききれないほどたくさん見ました。

会場に入った瞬間の「平成・令和ブース」なんて、令和って書いてある額を持って、官房長官の真似して写真取るだけのブースです。そんなブースでも行列ができていました(笑)。他にも素人がただ歌うだけのブースや、N高の文化祭ブースなど…本当に多様でした。最後は、GLAYゴールデンボンバーのライブを一人で見ていましたが、その隣のブースではスマブラ大会で盛り上がっていたり、その奥ではボカロライブをやっていたり…多様を通り越してカオスという言葉の方が似合う感じでした。これで1,800円はお得過ぎです。どれも楽しいブースでしたが、最も印象に残ったのはキャッチコピーです。

「同じってうれしい。違うってたのしい。」

「違う」と「同じ」が共存できるってすごいと思いませんか?普通は「違う」って排除されますよね?自分と大きく違う人とは、なかなか仲良くなれないですよね?けど、ニコ超には「違う」を楽しめる雰囲気があります。独りで来ている人もたくさんいますし、一緒に来ても別れて行動している人たちも多いです。いわゆるボッチでも受け入れてもらえる感じが漂っていました。

ディズニーにはそういう雰囲気はありません。今回、両方とも経験をしてみて、ディズニーは「同じ」を強める世界だと感じました。ディズニーは何を見るかより、誰と行くか?が重要な気がします。並ぶ時間に誰と話をするか?誰と写真を撮るか?アトラクションの内容より気にしませんか?

こんな書き方をすると、ディズニーが悪者のように思いますが、そんなことはありません。圧倒的なクオリティで作り上げられた雰囲気で、ゲストを楽しませてくるのはさすがディズニーです。当たり前ですが、レベルは圧倒的にディズニーが上です。朝の入場から帰るまでずっと楽しめます。夜のライトアップ、帰り道も楽しませる導線の作り方、「まだ帰らせないよ」と言わんばかりのパレードの時間設定。ディズニーの世界は、ゲストを必ず満足させます。

みなさんはどっちの世界が好きですか?私はどっちが良いかはわかりませんが、どっちも満足できましたし、どっちも足が棒になりました(笑)。高校の遠足はもうありません。強引に行き先を決められて、強引に班を決められることはこの先(きっと)ありません。これからは、自分で計画して、自分で考えて、自分で経験してください。友達と一緒にディズニーに行くも良し、独りでニコ超に行くも良しです。選べるということが一番の自由なのですから。

ニコニコ超会議2019ポスターより掲載)

「キミは、いまドコにいますか?」
「キミの目の前には、いま何が見えていますか?」
「好きなものを好きと言えていますか?」
「嫌いなものを嫌いと言えていますか?」

僕たちは自分の人生の主役なんだ。
誰ひとりとして、脇役なんていないんだ。

価値観が違うのは、あたりまえ。
だからこそ楽しいんだ。
だからこそ感動できるんだ。

それが例え、自分とは全く違った人間でも、
いや、全く違う人間だからこそ、
仲良くなれたりするのかもしれない。

だから信じてほしい。わかってほしい。

「キミはひとりじゃない。」
「キミは特別な存在なんだ。」
「キミはキミを恥じることはない。」
「キミにしか見られないセカイがそこにはあるんだ。」

もし、明日、このセカイが終わってしまうとしても、
僕たちは何年も幾つものキセキを、この場所で共有してきたから。
この場所が、それを可能にしてくれたことは忘れないと思う。

日常と特別。
同じと違う。

そのすべてを包容できる空間を僕らは知らない。
ネットとリアルが共存している、この空間以外では。

きっと新しい出会いもあるだろう。
さあ、一緒に行こう!

みんなが「ニコニコ」できる空間へ。

written by 石月 努