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【学級通信】(第146号)高校最後の冬休みは、新たな出発への準備を

高校最後の冬休みは、新たな出発への準備を

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二学期が終わりました。皆さんいかがでしたか?入学前から言われていた新校舎に移った二学期。どんな気持ちで過ごしました?新校舎に移ったことすら忘れていましたか?私はここ1ヶ月くらい、毎日少しずつ破壊されていく旧校舎を見て複雑な思いを感じていました。

二学期が終わると言うことは、冬休みがやって来ます。今年の冬休みは受験勉強ツメツメでしょうし、正月もゆっくりできないでしょう(ゆっくりしちゃいけないでしょう)。体調管理は怠らないようにしてください。進路が決まった人たちも大学からの事前課題が出ていると思いますので、まとまった時間があるうちに、受験生と同じように頑張りましょう。

受験生の皆さんはとにかく勝負の冬休みです。一分一秒を惜しんで勉強してください。ここでスパートをかけられた人たちが結果を出します。途中で力尽きたり、諦めたりしてはいけません。入試開始のその瞬間まで伸びることを信じてやり抜きましょう。自分がやっていることに自信を持って追い込んでください。迷ったり、疲れたり、悩んだりしたら、お気軽にご相談ください。基本的に「がんばれ」しかアドバイスはありませんが、お菓子くらいは用意しておきます(笑)。

受験の話はこの辺にして、全員意識していただきたいことがあります。それは、

「高校生活がそろそろ終わる」

ということです。受験で必死な人も、勉強が進まずに不安な人も、進路が決まってダラダラと生活している人にも終わりがきます。時間だけはすべての人に平等です。

終わりが来るということは、次の人生の始まりが来るということです。4月からは、大学生をやっている人も、専門学校に通っている人も、浪人している人もいるかもしれません。誰も高校には残っていません。先生方だって入れ替わります。卒業してからやって来ても、昔と変わらず迎え入れてもらえないかもしれません。久しぶりに顔を出しても、誰も知っている先生がいなくて、(きみだれ?)という扱いを受けておしまい…なんてこともあり得るわけです。

次の人生が始まるのは家族も同じです。兄弟が就職のために家を出るとか、結婚していくとか、皆さんの高校卒業をきっかけに、周囲も変化していきます。成長したり、変化したり、新しい生活になるのは自分だけではないのです。

周囲も自分も変化していくときに大切にして欲しいのは「準備」です。新しい冒険が始まるのですから、

ある程度のお金、ある程度の装備、ある程度の知識が必要です。

事前に何が起こるのかを想像してください。毎日食べていたお弁当も、遅刻して反省文を書くことも、この学級通信も無くなるのです。一人暮らしの人は、炊事・洗濯が待っているのです。なってみてから気づくより、なる前に気がつければ、冒険はスムーズに進みます。事前の準備をきちんとしましょう。

受験勉強をすることも、資格試験の勉強をすることも、バイトしてお金をためることも、本を読んで知識を得たり、創造力を膨らませたりすることも、新しい人生への準備です。

先日、日本マクドナルドの社長(日色保さん)が一年生の進路講演会にやって来て、

「皆さんは、VUCAの時代を生き抜くことになる」

という話をしていました。VUCAとは、

Volatility(不安定)

Uncertainty(不確実)

Complexity(複雑)

Ambiguity(曖昧)

の頭文字をつなぎ合わせた造語です。これからの世の中は、より不安定になり、より不確実になり、より複雑になり、より曖昧になるので、きわめて予測困難な時代がやってくるという内容でした。

そういう話を聞く度に、「準備が大切」だと痛感します。準備とは勉強のことです。ノリだけでは通用しない、勢いだけでは乗り越えられない時代が来ます。予測困難な時代だからこそ、知恵を絞って生きてください。高校時代の終わりは、より不安定で、より不確実で、より複雑で、より曖昧な世界の始まりなのですから。