学級通信たまに教育雑感ブログ

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【学級通信】(第038号)コミュニケーション能力って何なのさ

コミュニケーション能力って何なのさ

フットサル

こてつんさんによる写真ACからの写真

 
「先生、自分はコミュ力がないんすよ。そもそもコミュ力ってなんスカ?どうやれば身に付くんスカ?」

…的なことをクラスの男子に聞かれ、

「女子にお昼ご飯食べよ~って言って、1ヶ月くらいお昼を共にすればコミュ力が付くんじゃね?」

とテキトーに答えましたが、あとになっていろいろ考えると、この質問って難しいなとモンモンとしたので、学級通信でまとめることにしました。

そもそもコミュニケーション能力とは何なのでしょうか?まずはWikipediaで検索しました。(長いので勝手に省略しています)

Wikipediaでのコミュニケーション能力の定義)
・言語による意思疎通能力
・感情に気を配り意味を理解し信頼を築く能力
・言語以外で相手の気持ちを察する能力
・相手の様子を考え、自分の意思を伝達する能力
・意思疎通、協調性、自己表現能力
ソーシャルスキル(社会技能)
・合意形成能力
・自分の考えを論理的に説明する能力
・会話のキャッチボールをうまく行える能力

 (Wikipediaより)

ja.wikipedia.org

長いし、多いですね~まあ、このあたりを満たしていれば、コミュニケーション能力があると言えると思います。勘違い君にありがちなのは、飲み会とか打ち上げで盛り上がれる力や、異性と仲良くなれる力をコミュ力と混同していることです。盛り上がってウェイウェイやっているのはただのウェイ力なのでコミュ力ではありません。ご注意ください。じゃあコミュ力っていったい何なのでしょうか?人それぞれ答えがあると思いますが、コミュ力と聞いて私が思い浮かべるのは、前任校でのエピソードです。

私が数年前にサッカー部の監督をしていたときの話です。その当時は、合宿の夕方の練習でフットサルをさせていました。ランダムに決めたチームで予選リーグ+トーナメント戦をし、負けたチームから宿舎まで走って帰る(10キロ)という取り組みです。勝てばバスで優雅に帰れるので、みんな必死です。1日の練習の帰りに10キロ走るかバスに乗れるかが決まるのですから、超ガチな試合が展開されます。

● 一年生だけのチーム
● 実力が低くても頑張ろうとしているチーム
● メンバーが気に入らず、最初から投げやりなチーム
● 上手いメンバーが多くて安心しているチーム

いろいろありました。

で、実際にやってみると、上手いチームが勝つとは限らないのです。不思議ですよね。上手いとか下手とかって一番大切なようなのですが、そんなことはないのです。3日間の試合結果を分析して面白かったのは、チームが毎日変わるのに全部走る選手もいれば、全部バスで帰れる選手も出ていたことです。

さらにメンバーを観察すると、合わない選手の批判をしている人や、負けてビブスを投げつける人がいるチームは勝てないということが見えてきました。逆に、実力やタイプがバラバラでも、お互いに合わせる努力をして、それぞれの能力を生かす作戦を実行できるチームは勝っていました。そういうチームには必ずキーマン(かぎを握る人物)になる子が入っていて、その子がいるとどんなメンバーでも不思議とお互いに協力できるチームになっていました。どんなメンバーだろうとすぐに意思疎通を図り、協力をして、チームで結果が出せる。それを主導できる能力がコミュニケーション能力だと、その選手を見て私は思いました。

もう一度Wikipediaの説明を読めば、きっとこの選手にはこんな能力があったのだろうなとしっくりきますよね。皆さんはまだ高校生(しかも1年生)なので、感情を抑えられないこともあるでしょうし、逆に押さえすぎてモンモンとすることもあると思いますが、ぜひこの選手のような能力を身に付けて欲しいと思います。そういう力を身に付けることができれば、

「この人と一緒のクラスでいたい」
「この人と一緒に部活をやりたい」

と思われるはずです。コミュ力の高さは信頼に繋がります。高校生活を通じてぜひ磨いてください。こういったものは一朝一夕で身に付く能力ではありませんが、

「相手の感情を考える」
「言葉や態度に気を付ける」
「客観的に自分を見つめなおす」

あたりを意識してください。きっと人生を豊かにする能力が身につくはずです。