【学級通信】(第082号)指定校推薦とは行きたい大学に出願する1つの方法なだけ
指定校推薦とは行きたい大学に出願する1つの方法なだけ
面接をしていると、
「指定校推薦とか取れますかね?」と言われます。
けっこう多くの生徒に言われます。さすが優秀なクラスです。みなさんそれなりの評定平均を持っています。推薦はいろんな種類がありますし、来年になればそれなりに考えることですし、私の考え方も含めて書きたいと思います。
本校は指定校推薦をいっぱい持っています。近くの高校よりも持っていると思います…と説明されて入学してきた人もいることでしょう。指定校推薦は大学と高校の約束で行う推薦方法です。分かりやすく言えば、
「あなたの高校から(大学が定めた)条件を満たす生徒をOO名受け入れます」
というものです。例えば、ある大学の法学部の条件にはこう書いてあります。
「評定平均4.0以上 かつ 英語の評定平均値4.0以上の者。在籍中の全期間において出席状況に著しいむらのないこと」
※条件は年度によって変わることがあります。
この条件を満たしていれば、エントリーできるわけです。決められた人数を超えて応募があった場合は、
校内選考会議の場で評定平均値や出席状況などを見ながら選考されます。
大学との約束による推薦ですから、校内選考会議を通過すればほぼ確定です。校内選考を通過したあとに、大学側から落とされた人を私は見たことがありません(たまにあるらしいですけど)。
校内選考に落ちてしまった人は、一般入試に進むか、第一回で余った指定推薦にエントリーするという流れになります。ちなみに第二回にエントリーする人は数人です。行きたいところを目指すには他に鞍替えしないのが普通ですので、ほとんどの人は、落ちた先を一般入試で再チャレンジします。
普通の推薦とは違って、誰と戦って落ちてしまったかというのがわかってしまう(噂が聞こえてくる)ことが多いので、人間関係がギクシャクするのも特徴です。
行きたい大学を目指すための一つの方法というだけなのに、いろんな情報に踊らされて残念な争いに発展することもあります。
「OOちゃんは最初、一般で頑張るって言っていたのに、急に推薦にしたんだよ!許せない!」
「あの子がXX大学希望したから、私は行けなかった!」
こんな声が聞こえてくると、とても悲しい気持ちになります。
本来、推薦だろうが、一般だろうが、行きたいところに出願するだけの話であって、他の人(他の受験生)は関係ないんです。けど、母数が少ないのと、誰がエントリーしているのかが見えやすいのと、通れば確約されるというのが重なって、人間のそういった面が出ちゃうんですよね。
指定校推薦の人が校内選考を通過した後、志望理由書を書いたり、面接の練習をしたりします。私も三年間、進路指導部でしたから、添削や面接練習をたくさんやりました。
文章が書けない…
面接の質問に答えられない…
ニュースや新聞から情報を得ていない…
本を読んでいない…
「先生!志望理由書が書けません…何書いたらいいですか?行きたい理由は偏差値って以外にないんですよね」なんて聞いてくる子もいました…
え~!!!!そんなんだったら、他の子の方が良かったんじゃない!?って気持ちに何回もなりました。
前に勤務していた学校では、大学からの合格が決まったあとに豹変するパターンもありました。いきなり金髪、二学期の期末試験は白紙提出、欠席・遅刻の雨あられ…いや~そこまでくるとむしろ気持ちいいなと感心したこともありました(笑)。さらに、受験生がいる教室で、教習所の話や卒業旅行の話をしてみたり、受験生をバカにする発言してみたり…またそれにSNSが絡むから、もうそれはそれは荒らしまくり…って感じのときもありました。(皆さんの中学のときはどうでしたか?)
気がつけばがっつり指定校推薦の悪口みたいになっていますね(笑)。推薦目指している人スミマセン。だけど、私が言いたいのは、
1.推薦(手段)を目的にしている
2.一般受験が嫌だから逃げている
3.勉強していないけど、評定はある
という3つにハマる人は推薦に向いていないので止めた方が良いという話です。もし私が三年生の担任をしていたら、この3つにハマっているかを聞きます。迷ったときはこの1~3を思い出してください。
指定校推薦で大学に入るのは、まったくもって問題ありませんし、全力で応援します。
しかし、推薦は勉強しなくてよいための理由ではありません。
それだけは忘れないでください。推薦とは、行きたい大学に出願する1つの方法なだけですから。