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【教育雑感】アクティブラーニングの雰囲気をどう作るかという話

アクティブラーニングの雰囲気をどう作るかという話

教室

アシュガーさんによる写真ACからの写真

 生徒相互の関わり合いをさせたいのであれば、

「してもよい、しなくてもよい、けど一回くらいは話せると良いね」
「できれば話合い活動を苦にならないでできるといいね」

くらいの雰囲気が良い。私自身がグループワークやディスカッションとかが嫌いなので作ったルールだが、うまく機能したと思う。

私が、学び合い活動を展開するうえで最も心配したことは、生徒が積極的に意見を出し、質問をし、教え合う行動ができるのかということである。

 (自分の研究紀要より引用)

 
生徒の多くは積極的に質問したり、自分の意見を言ったりすることが苦手だ。また、グループ活動が極端に苦手な生徒が、そのようなコミュニケ―ション活動の強制によって、学校への登校が難しくなるようなこともある。これは、多くの教員が経験していることだろう。

ディスカッションや、グループ・ワークが必要であると感じながらも、実践に踏み切れない教員は多いと思う。そこで私は以下のルールを適応している。 

1.座席を自由にする
2.グループは作らない
3.ディスカッションを強要しない

多くの書籍にも書かれているが、

「安心安全の場づくり(環境)」

がディスカッションやグループワーク、学び合い活動では重要である。その実現のための方法が上記のルールだ。

座席が自由なことで、仲の良い生徒と一緒に授業に臨める。逆に、仲の悪い生徒と離れることもできる。友人のいない生徒や、その日は一人になりたい生徒は、一人になりやすい席(角席など)を選ぶことができる。

「自ら選べることによって、安全安心の場を作ることが可能になる」

また、無理にグループを作らないことで、一人での活動を行うことを保障する。生徒相互の活動を促すアクティブラーニング型授業において矛盾しているように思われるが、

「一人での活動ができるということ」

が、コミュニケーションが苦手な生徒にとっての安心安全の場づくりにつながるのである。

もちろん、一人での活動で良いわけではない。しかし、ディスカッションやグループでの活動を強要はしない。その代わりに、ディスカッションや学び合いを行う価値を伝えている。コミュニケーションを取る活動が苦手な生徒が、一年間を通じた取り組みの中で、

「一回でも生徒相互で関わり合う活動ができれば」

それは大きな成果だと考えている。