【学級通信】(第052号)部活をするもしないも自由って話
部活をするもしないも自由って話
面談資料を読んでいると、部活をやっていない人の率が高いことに気づきました。このクラスの部活加入率は75%くらいです。私の今までの経験上もっとも低いです。私が今まで勤務してきた学校の部活加入率は90%を超えます。年によっては95%くらいのときもありました。まさに高校=部活って感じですね。
保護者の皆さまも部活に入っていた経験をお持ちだと思います。運動部などでは、顧問から怒られ、先輩から厳しく指導され、辛い練習に耐え、仲間たちと支え合い…という感じではないでしょうか。そんな高校時代を共に過ごした部活の仲間と今でも仲が良いという人もたくさんいると思います。私も、初任校の部活の生徒とは未だに付き合いがあります。結婚式にも何回か呼ばれました(席次表に恩師って書かれる恥ずかしさ(笑))し、GW中にも、「飲みませんか?」のお誘いがあり、懐かしさを楽しみました。
当時、担任をしていた生徒からは連絡は来ません(涙)が、部活の生徒からは誘ってもらえる。それだけ部活の結びつきというのは強いのだと感じます。いや~部活って素晴らしいですね。
初任者時代、私は男子バレー部の顧問を任命されました。顧問表に、
男子バレー部|私の名前、U先生、K先生
な~んて書かれていました。先輩に、
「一番左に名前が書かれているんですが、何か意味がありますか?」
と聞くと、
「この学校のルールは知らないけど、だいたい意味があるよね。ふふふ(笑)」
と言われ、数日後に、一番左がメイン顧問を意図していることがわかりました。
そんなことで、私は男子バレー部のメイン顧問にめでたく就任しました。当然、バレーボールなんてやってことはありません。ルールすらわかりません。そもそも顧問って何をやったら良いかすらわかりません。右も左もわからない私は、体育の先生のところへ行き、
「男子バレー部の顧問になったんすけど、どうすれば良いですか?」
と聞きました。すると、
「とりあえず着替えて、体育館に行って、わからないことは生徒に聞いて、一緒にやればいいよ」
と言われました。
その先輩の言葉通り、活動部には着替えて体育館へ行き、生徒と一緒に練習しました。わからないことは選手に聞き、誘われるがままに練習試合をし、それなりに技術指導もできるようになりました。大会でも優勝したり、それなりの結果も付いてきて自信になりました。気づけば部活にどっぷりはまっていました。
部活を一生懸命やると、自分が成長している実感がありますし、大会などで勝ちはじめると楽しくてたまらないです。努力する素晴らしさや、仲間の大切さも学べます。そうやって過ごしていると、「やっぱり部活が一番だよな~」って顧問も生徒も思ってしまいます。けど、
「それって部活以外でも経験できるのでは?」
と(最近では)思うんです。勉強でも、行事でも、学校外の活動でも、いろんな経験から私たちはたくさん学べることがあります。
昔、一緒に働いていた野球部の監督が
「高校で部活やんないやつはダメだな~って家で言ったらさぁ、うちの娘が『部活やってない子たちだって、高校時代を十分楽しんでるよ。部活からしか学べないなんて、部活エゴだよ』って言われちゃったよー」
なんて話をしてくれました。今になると、その娘さんの言ったことがよくわかります。私は学校の先生ですし、古い考え方で育った人間ですから、
(部活やってくれたらいいなぁ~)
(最後までやり遂げたら良いのになぁ~)
とか考えてしまいます。けど別に、部活や学校に縛られなくでもいいんですよね。何かに打ち込んだり、友人を作る場を自分で探すのは面倒なので、部活を選ぶのが手っ取り早いこともありますが、高校生である時間を何に投資するかは自分しだいです。
部活に打ち込むもよし、学校外の活動に励むもよし、いろんなものに手を出して自分に合うものを探すもよしです。皆さんには、
”選択できるという自由”
があります。勉強しない自由(選択肢)は高校生にはありません。いちおう高校ですから。
やることなくて、モンモンとしていて、行動できない人は私が顧問をしている部活に来てください。(それなりにルールはありますが)好きなことをやりましょう。いつでもお待ちしています。