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【学級通信】(第108号)キミは今日、何しに来たの?

キミは今日、何しに来たの?

挙手

GWが終了し、5月になりました。3年生としてのペースは掴めていますか?やることは明確になっていますか?受験生は平日5時間、土日8時間は勉強できていますか?これから遠足→模試→中間テスト→体育祭と一気に進んでいきます。ボーっと生きることのないように、自分のペースを掴んでください。

今回の学級通信は、3年生での授業についてです。

「皆さん、受験に関係ないからといって内職したり、スマホいじっていたり、寝ていたりしていませんか?」

3年生になって授業ちゃんと受けてなかったら、学校に通っている意味なんてないですから、1、2年で不真面目だった人も、受験ガチ勢の人も、そうじゃない人も、たかが14単位+自由選択(最大で週20時間以内)の授業は真剣に頑張ってください。1、2年次のときに比べて授業時間は約半分ですし、実質8ヶ月くらいしか受けませんので。

授業に積極的に取り組むというのはとても大切なことだと思います。自分で希望して選択した自由選択科目だけでなく、必修科目もです。理系に進学する人は(たぶん)これから一生、現代文や政治・経済、倫理(大学で哲学とか取ると内容が似ているかも)の授業受けることはないでしょう。体育も同じです。週2回、強制的に運動する時間を作ってくれることなんてこれからはありません。興味のある無しに関わらず、授業をしてもらい、施設を用意してくれる環境があるというのは素晴らしいことです。だから、高校のすべての授業は積極的に受けて欲しいです。

最近の世の中では「主体性」が求められています。主体性を辞書で調べると、

「自分の意志・判断によって、自ら責任をもって行動する態度や性質」

と書いてありました。皆さんそういう態度や性質を持ち合わせていますか?世の中で求められるものですから、持っていないと社会に出られないかもしれません。

教育現場でも「主体性」が強く言われています。次の学習指導要領(文部科学省が10年に一回くらい改定する教育の方針・内容などが示されている基準)でも、主体性という言葉がたくさん出てきます。おとなしく座って、授業を何となく受ける時代は終わったということが強く叫ばれています。今までの世の中でしたら、授業を何となく受けて、何となく高校生活を過ごして、何となく受験して、何となく卒業すれば、何となく生きていけたかもしれません。しかし、これからそうはいきません。大学入試も厳しくなり、就職も厳しくなり、既存の仕事もAIに奪われる世界がやってきました。そういう世の中で求められているのが「主体性」ということなのだと思います。

3月に留学経験のある卒業生と食事をしました。その子は留学先での授業の話をしてくれました。

「留学先の授業では、パーティシペーションという評価項目があったんです。パーティシペーションというのは授業への参加する姿勢を評価する項目のことですね。あっちの授業では、先生がやって来て『今日は何やる?』と聞いてきて、何にも答えがないと、何もしないで帰っちゃうんですよ(笑)。だから、生徒は質問したり、ディスカッションしたりするんですけど、周りはネイティブばかりだから全然ディスカッションに入れなくて、あたふたしているうちに気づくと授業が終わっていて、パーティシペーションという項目に低い評価がついているんです。だから語学力が低いときはかなりキツかったですね~」

皆さんこれを聞いてどう思いますか?私は、あーこれがグローバルな世界で求められていることなんだろうなぁ~日本の教育が遅れているとか、受け身だとか言われても仕方ないよな~と感じました。(どの国もとは言いませんが)海外ではこうやって主体性が鍛えられているのだと思います。

「キミは今日、何しに来たの?」

ということを常に問われ、態度や行動を評価されて育った人たちと、何となく授業を受けて、何となく過ごしている人たちとでは差がつくのは当然だと思います。これからグローバルな世界で生きていく皆さんは、そういう環境で育った人たちと一緒に働くわけです。そういう時代に今、生きているということを覚えておいてください。

日本の授業にパーティシペーションの評価はありせんが、内職していたり、居眠りしていたら、間違いなく低い評価になるでしょう。せっかく受ける授業が無駄な時間にならないよう、「主体性」を持って取り組んでください。パーティシペーションは高めで過ごしましょう。