【教育雑感】生徒同士で教え合う学校が作れたら…
生徒同士で教え合う学校が作れたら…
何年か前の話。
「試験一週間前には45分×7時間授業にして、7時間目は教室で自習という名の学び合いをしたい」
という提案があった。しかし、
「自習するくらいなら、きっちり授業をやった方がよい」
「自習するくらいなら帰りたいという生徒もいるのではないか」
といった意見が多く、その提案は却下されたが、その会議で再任用の先生が「生徒同士で学び合うこと」の大切さを語った内容は今でも覚えている。
「私が昔、学年主任になったとき、『入学した生徒が、誰一人として変わらず最後まで卒業する学年を作ろう』という目標を立てた。教員が頑張っても無理なので、とにかく生徒同士が助け合えるように力を注いだ。特に、放課後の教室開放には力を入れた。授業でわからないことは教え合うという雰囲気を作った。それは最後の受験期まで続き、結果、入学したときと変わらぬメンバーで卒業できた。だからお互いが支え合うような取り組みは意味がある」
という話だった。一般の人が聞いたら、「へー」という話かもしれない。けれど私は今まで勤めた経験の中で、三年間で誰も辞めなかった学年を知らない。今でも不可能だと思っている。だから、それをやってのけたその先生は偉大だと思うし、生徒がお互い支え合うことや、それを授業内で実現しようとしている『学び合い』という取り組みを素晴らしいと思う。
辞めないことが全て良いわけではない。しかし、生徒が相互に関わり合うという雰囲気を作ることができた結果として、全員が卒業できたのだとしたら、それはとっても幸せなことではないだろうか。
「生徒相互の関わり合いを必ず作る」
授業で外せない項目に入れておこうと思う。
(ちなみに私が知らないだけで、三年間誰も辞めない学年はあるかもしれません)