【学級通信】(第079号)塾選びについて、学校の先生としての回答
塾選びについて、学校の先生としての回答
「塾に行った方が良いですか?」
とよく聞かれるので、今回の学級通信は塾についてまとめてみました。
私が知っている塾の情報は、生徒からの評判とか、教え子のバイトとかが中心です。あと、教員の世界は塾業界でガツガツ働いていた人もいるので、そういう人たちから話を聞くこともあります。学校全体としては、センター試験のときに塾主催で開催されるリサーチ結果の分析会とか、各教科の問題分析・受験動向の講演会などがあったりもします。最近では、教育委員会主催の研修会に、駿台予備校とか河合塾とかの人が講師としてやって来て、授業の方法や教育動向を学ぶなんて機会もあったります。
話を戻します。「塾に行った方が良いか?」ですが、行った方が良いと思います。実は私、十数年前に中学校で働いていたことあるんです。で、そのときの数学の主任が、
「塾はお守りなんだよね。持っていると安心できる。受験期は周囲がみんな行っているからね。落ち着くために行くんだよね」
と言っていました。上手いこと言うな~っと思ったことを覚えています。
「塾でやるから大丈夫」…最高のパワーワードです。
(おれ大丈夫だ!)って思えますもんね。大丈夫って思えたら、勉強するようになって、学力が上がって、合格に近づきます。同じ目的を持っている子が集まってくることも大きいです。モンモンと過ごしている学校とはモチベーションが違います。
その気になって、仲間がいれば、勉強はできます。講義内容とか、先生の教え方とか、スケジュールとか、環境も大切ですけど、それは二次的なもので、
「塾に行って勉強しよ」って思った時点で半分はクリア(その気になっている)です。
入塾すれば仲間がセットでついてくるので、もう半分もクリア。塾に行けば大丈夫!最高のマジックワードです。
「勉強するぞ!」って思ってない人が塾に行っても勉強しません。
無理やり入塾した人とか、塾を疑っている人はダメです。塾はお守りですから、モチベーションが作られていない人、信じてない人には効果はありません。勉強するうえでもっとも大切なことはモチベーションです。それが作られていない場合は、通ってもうまくはいかないのです。逆にモチベーションがあれば、学習や大学受験に関して膨大な情報を持っている塾は、とてつもなく心強い存在となります。
最近の塾は多様化しています。教えない塾なんてのもあります。クラスの生徒から教わった武田塾のYouTubeのCMを一度見てください。(へーこんな塾あるんだー)って感じでした。非常に興味深いです。私の知る限り、最近の塾の形態は、
1.集団授業
2.個別指導
3.映像授業
の3つです。どの塾もこれらを組み合わせたり、それぞれの特徴を出したりして、独自のサービスを展開しています。集団と個別を併用できたり、集団も映像もやっていたり。映像授業だって、自宅やスマホからインターネットで見られるものと、実際にその場に通わないと見られないものもあります。独自の模試を行ったり、オリジナルテキストを作ったり…とても多様です。
これらの塾のどれがいいのか?答えはありません。自分が信じられるものを選べばいいと思います。私なりの塾選びのポイントを2つだけ書きます。
1.複数の塾の体験会に行くこと
2.家から近いところを選ぶこと
この2つです。「1」は自分に合ったところを見つけるには、実際に体験行かなきゃわからないでしょ?って意味です。あとで合わなかった…となると、入塾金など無駄ですし、合わないのを(保護者に言えない…)と我慢することにもなります。必ずいくつか体験して決めましょう。
「2」は、とても重要だと思っています。塾は講義だけでなく、自習室&チューターを活用するのがポイントです。受験期後半には、ずっと自習室にこもる人も多いです。そういう生活を続けて、最後の方になると時間が足りなくなってきて、受験生の多くがあることに気づきます…
(移動時間が無駄じゃね?家が最強じゃん。あー家の環境整えるのが先だった…)
最後にはほとんどがこういう考えに至りますから、塾に行くまで時間がかかってしまうのは避けた方が良いかと私は思います。
とにかく、塾に行く場合は目的を持ちましょう。
● 勉強する気があるのか?
● 何を勉強するのか?
● どんな生活になるのか?
● どんな講義なのか?
● 自習室の環境は?
● 教えてるのは大学生?専任講師?
…あげればキリがりません。しかし、お金のかかることですから真剣に選んでください。
探す時期は11月~12月。はじめる時期は、冬期講習?3学期?3年の1学期?部活引退?夏?
などなど。めんどくさがらずに受験へ向けての準備を始めましょう。
もちろん塾に行かないという選択肢もあります。自分で勉強して結果を出している先輩もたくさんいます。自分がどうやって受験に進むのかは自分で決めましょう。