学級通信たまに教育雑感ブログ

実際に配布した【学級通信】を掲載しています

【学級通信】(第067号)そろそろ文化祭がはじまる

そろそろ文化祭がはじまる

売上計算

カメラ兄さんさんによる写真ACからの写真

 さて今週末は文化祭です。皆さん準備はどうですか?

「行事というものは人間性が出るので、面白い反面、ストレスいっぱいです」

● 誰々が手伝ってくれない
● 誰々はやってくれる
● 自分の役割はやったから他はやらない
● やる気はあるけど具体的に言われてないから何していいかわからない

とか…文化祭あるあるです。

体育祭とか音楽祭は、文化祭とはかなり違いがあります。なぜなら、やることが決まっているからです。「歌う」とか「練習をする」とかです。だから、

「どうやって練習してもらうか?を考えて実行することが委員の大きな仕事」

になります。それでも委員さんはかなり苦労します。

文化祭はさらにキツイです。クラスに何を手伝ってもらうのかが決まっていないからです。『何をやるのか?』から自分たちで考えなければならないというのは、ゼロから考えなければならないので、委員はかなり苦労します。

「人間の活動において、「目的や目標を考えて行動する」ことほど面倒なことはありません。考えるより言われたことやる方が楽です。しかし、世の中で求められているのは、自分で目的も手段も考えられる人間です。」

テレビや新聞の報道でもあるように、今後、AIを搭載したコンピュータやロボットなら24時間365日人間以上の仕事をしまくります(授業でも少し触れました)。しかし、

「何をやらせるのか?を決めるのは人間です」

その人間が、目的を考えることを(めんどくさい…)となってしまったときに、果たして人間はどうなってしまうんですかね?

たかが文化祭ですが、これから皆さんが

「社会で生きるうえでの要素がたくさん詰まっています」

「焼きそば」に今後の世の中で生きる力を見る…と私は思っています。焼きそばという出し物に決まってから、どんな準備が行われたかを知っていますか?

1.何人前作る?

● 文化祭って何人くらい来るの?
● いくらだったら焼きそばを買うの?
● というか1回に何人前作れるの?
● 作るに必要な時間は?
● 作るのに何人必要なの?
● 調理室のコンロって何台使えるの?

…さあ皆さん、考えられますか?

2.焼きそばってどうやって作る?

家で焼きそば作るのとはわけが違います。調理室を使うし、保健所の指導もあるので、使える機材、使える食材などが決まってきます。家で自由に作れるのと同じなら、たいして苦労しないんですが、お客様に提供するっていうのは、かなり責任がある行為です。さて、

● どんな食材を使えるの?
● どんな機材を使うの?

…さあ皆さん、考えられますか?

3.いくらで売る?

「1杯1,000円の焼きそば…誰も買いませんよね?」

1杯の金額ってどうやって決めるんですかね?世の中で行われている商売なら、できるだけ利益を追求しようって方向性があっても良いですが、文化祭ですから、あまり利益は上げない方向性が生活指導部より言われています(まあ学校は儲ける場ではありませんし、学校が文化祭でボロ儲けしていたら問題にもなりますからね)。そんな中で、

原価計算ってどうやんの?
● 赤字にならないような設定って?
● みんなが買ってくれる金額はどうしたら?

…さあ皆さん、考えられますか?


この他にも、

● どの店から仕入れるのか?
仕入れ金はどうやって用意するのか?
● 学校の冷蔵庫はどのくらい使えるのか?
● キッチンのシフトはどうするのか?

…などなど。いろんなことを考えて、ここまで来ています。その上でさらに、内装やら外装やら、売り場のシミュレーションやら、衛生管理やら…まだまだやらなければならない大きなことがあるわけです。

「うちのクラスの文化祭ってすすんでいるの?」
「文化祭当日は楽(らく)したいよな~」
「放課後手伝いのめんどくさいよ~」

どのクラスでも勝手なこという人はたくさんいますが、クラス委員はとても苦労してここまで作ってきています。それは担任が自信を持って言えることです。たぶん2年生で一番だと思います。

残り一週間です。心配なことはたくさんありますが、委員さんを中心に、

「クラス全員が自ら考えて、行動してください」

文句言ったり、人のせいにしたり、サボったりするより、

「自分で考えて、楽しんで、協力できるクラス」

になれることを期待します。