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【学級通信】(第122号)ミスはこれからの人生の糧

ミスはこれからの人生の糧

ミス

文化祭が終わりました。アイスは全て完売しました。教室の内装も外装もステキな雰囲気の店を作れたと思います。前日準備日の生徒が帰った後に全教室を回りましたが、中も外もちゃんと作れていたのはこのクラスくらいだったと思います。もちろん他のクラスも頑張っていましたし、コンセプトも出し物も違いますから、一概にどのクラスが良いとかは言えるものではないかもしれません。それでもこのクラスは最後の文化祭で十分に頑張れたと感じています。

今年の文化祭は新校舎で行うということもあり、なかなか難しい状況でした(そもそも3年生の文化祭は受験期なのでとても難しいものです)。その中であれだけのことができたのは、生徒会も、実行委員も、クラス委員も、文化祭担当の先生も、そしてクラスの皆さんも頑張ったからだと思います。頑張った皆さん、お疲れ様でした。

私は文化祭が大好きです。それは人間性が出るからです。簡単に言うと、「その人がどんな人物なのか?」がわかるからです。

教員の立場としては、「その子の成長がよくわかる」と言ったところでしょうか。

人間性はどんなときに現れるかというと、“自由を与えられたとき”に顕著に出ます。

文化祭は、体育祭や音楽祭と違い、決められていないことを協同で行う行事ですから、学校行事の中で一番人間性が出ると思っています。

☑ まったく手伝わない人
☑ 一生懸命頑張る人
☑ 指示を待っているだけの人
☑ 気を利かせて先回りする人
☑ やりたいことしかやらない人
☑ 責任感のある人
☑ 自分の役割を途中で放り投げる人
☑ 困っている人を助けようとする人
☑ 言い方がキツイ人
☑ 黙々と作業する人
☑ 文句ばっかり言っている人

あげればきがありませんが、皆さんはこの1週間で、たくさんの行動を見てきましたよね?そして

「へ~この人はこういう人なんだ~」

「えっそういう人だったの?」

みたいな現場に遭遇しましたよね?それが文化祭ってやつです。本気で取り組めば取り組むほど、怒ったり、喜んだり、泣いたり、笑ったりが起きたりしますし、文化祭はつまらない映画観るよりよっぽど楽しいと思います。

私が行事のときに集団に求めるのは、「気の利いた行動」です。指示なんか待たないで自分でちょっと気を利かせて動くこと。今、何が必要なのか?どう動くと助かるのか?ということを考えて立ち回れる力を期待しています。

「指示が書いていないからわからない」

「ちゃんと言ってくれないからダメだ」

みたいなことで担当者を批判することが大人の世界でもよくあります。もちろん、担当者は全体を動かす力(リーダーシップ)が必要ですが、それが足りないことをグチグチ言っても、行事や仕事は成りたちません。だから、自分で考えて気を利かせて動くことが重要だと思うのです。これもまた人間性です。

今回の文化祭で嬉しかったことが2つあります。1つ目はミスがたくさんあったことです。装飾でも、発注でも、書類提出でも、当日の準備でもたくさんミスがありました。ミスしたことが嬉しいというのは変な話ですが、人間は失敗しないと成長しないので、そういう機会があったことが良かったという意味です。役割を背負うとミスするリスクも背負います。

最近では、責任をとりないたくないから役割は引き受けない風潮がありますが、それでは人は成長しません。

だから今回いろいろあったミスは、皆さんのこれからの人生の糧になったと思います。もちろん私の成長にも繋がりました。

2つ目に嬉しかったのは、A先生のクラスが調理室を使った出し物を行ったことです。調理室を使った出し物って本当に大変なんです。私は初任者のときにやりましたが、疲れ果てて倒れそうでした(家庭科の先生には罵声を浴びさせられたし…)。当時、先輩の先生に

「飲食団体は、新人が必ず通る道だから、やった方が良い」

と言われた言葉の意味は、今だからわかります。あの辛さを経験せずに、年をとってはいけないと思います。担任中にそういう経験ができるチャンスは少ないかもしれませんが、それを新人の先生が経験できたことが(いちおう)先輩としては嬉しいのです

「飲食って大変ですね」って言っていた彼の疲れた顔は、とてもステキでした。

これで高校最後の行事が終わりました。これからは進路に向けて全力でお過ごしください。学校に来るのは残り約4か月です。1日1日を無駄にしないようにしましょう。