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【学級通信】(第080号)受験期はあらゆることが不安定

受験期はあらゆることが不安定

喧嘩

 

受験期は、親子関係、夫婦関係、兄弟関係が悪化しやすくなります。

家に不安定な受験生がいるわけですから、そりゃあ周囲も不安定になりますよね。隠れていた問題が一気に吹き出すのが受験期の特徴です。とくに大学受験は大きなお金が絡みますので…

子ども 「おれ、OO大学行くわ」

保護者A「大学行って何やりたいんだ?」

子ども 「とりあえず、OOでもやれば就職できるかと思ってる」

保護者A「将来やりたいことあるのか?」

子ども 「それはまだわかんない。4年間で決める」
※(たぶん理系は6年になる子がほとんどです)

保護者A「わからないものに金は出せない。だったら国公立行け」

子ども 「国公立なんて無理に決まってんだろ!」

保護者A「じゃあ、働けばいいだろ!とりあえずとか、まだわからないものに何で金出さなきゃならないんだ。そもそもお前勉強してないだろ!」

子ども 「だから、これからやるんだよ!塾にも行こうと思ってるし」

保護者A「普段やってねぇやつに塾なんて無理だ!まずは真剣に勉強しろ!話はそれからだ!」

保護者B「まあまあ、クラスの子も勉強し始めたからこの子も焦ってるんです。なかなか勉強できないって、この子もずっと悩んでたんですよ…」

保護者A「ふん!もっと上の高校に行けばよかったんだ。そもそもお前が甘いからそうなるんだろ!」

保護者B「あんたに何がわかるっていうの💢あんたこそ何もしてこなかったじゃないの!お兄ちゃんの時だって…」

ぎゃーぎゃー💢わーわー💢きーきー💢

子ども (もうこんな環境では勉強なんて無理だ…なぜこんなとこにいるのだろうか?)

さてどれだけの家庭に当てはまるかはわかりませんが、こんな感じが一般的かと思います。

ここに兄弟の受験が重なったり、家族の病気、怪我、介護が重なったりすると、さらに家庭は不安定になります。

特別なことではありません。みんなそんなものです。教員という仕事をしていると、毎年こういう話に遭遇しますので、間違いありません。

保護者の肩を持つわけではありませんが、勉強するということは、とてつもないお金が動いていることを生徒の皆さんは覚えておいてください。

昔、ファイナンシャルプランナーと話をしたときに、

「子どもがいる家庭と、そうじゃない家庭のお金の差は教育費だ」

という話が印象に残っています。私は何の知識もなかったので、食費とか、生活費が大きく影響するのかな~と思っていたのですが、それはそんなに大した問題ではないと言っていました。

一人の子どもが大学を出るまでにかかる費用は1,000万円~2,500万円(大学の学部によってもっと変動します)だそうです。

公立に行くか、私立に行くかでかなり幅があります。幼保→小→中→高が公立、大学が私立理系だとすれば、だいたい1,500万円。四人兄弟をすべて私立大学(理系)に行かせたとしたら、6,000万円かかる計算になります。おしゃれな戸建てが一軒建つ金額ですね。

普段勉強する姿を見せたことがない…将来何になりたいかがわからない…という子どもに学費を支払い、塾に行かせてあげる保護者には本当に頭が下がります。

保護者の皆さんのおかげで子どもたちはここまで生きてきたと言っても過言ではありません。まじリスペクトです。保護者は本当に偉大です。

さて生徒の皆さん、保護者の気持ちが想像できましたか?皆さんが保護者に示すのは感謝もですが、やはり「勉強する姿勢」が一番だと思います。

1,500万円の教育費に意味を持たせるのは、皆さんが成長する姿だと思うのです。

生きていくための知恵をつけて、夢に向かって進みながら大人になっていく姿を大人たちは期待しています。

しかし、それを実現するためには、勉強できる環境がとても重要です。勉強できる環境とは、

勉強するクラス、勉強する仲間、信頼して見守ってくれる家庭のこと

です。同僚の先生が貸してくれた本に、こう書いてありました。

「『信じて待つ』という姿勢に必要なのは耐性ではありません。本当に信頼することです。」

勉強しないわが子(生徒)にイライラしますが、そこはグッと堪えて信じて待ち、やる気になったときに応援してあげることが大切なのかもしれません。

「勉強しなさい」→「今やろーとしてたんだよ!」

という関係から脱することが、生徒の成長に繋がるはずです。生徒も、保護者も、先生も、よい関係で受験期を乗り越えたいものです。