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【学級通信】(第084号)予測不能な報酬とスマホ

予測不能な報酬とスマホ

ガチャ

Canape104さんによる写真ACからの写真

最近、興味深い記事を見つけました。人生でどれだけSNSをやるかを試算した結果です。

MediaKitによると、13〜79歳までの66年間で平均5年4カ月もの時間をSNSに費やす可能性があるという。その内訳はユーチューブ1年10カ月、フェイスブック1年7カ月、スナップチャット1年2カ月、インスタグラム8カ月、ツイッター18日となっている。1日あたりでは、ユーチューブ40分、フェイスブック35分、スナップチャット25分、インスタグラム15分、ツイッター1分だ。これは米国市場のデータから算出された数字であるため、日本の現状とは異なるかもしれないが、スマホSNSが生活の一部になっているという状況は同じと考えてよいだろう。これらはあくまで平均の数字。SNSヘビーユーザーであれば、さらに多くの時間を費やしている。特に若い世代のSNS利用は増加傾向にあることが判明している。

Common Sense Mediaの調査では、米国のTween(8〜12歳)は1日平均6時間、Teen(13〜19歳)は平均9時間もの時間をSNSに費やしていることが明らかになったのだ。

(AMP:スマホSNS時代の終焉か、シリコンバレーで動き始めた「中毒性」見直しムーブメント)

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さて、皆さんの利用の実感を一致していますか?一日平均で9時間SNSって…アメリカってヤバいですね~って言っても日本も同じような状況のようです。以下は、日本での調査結果です。

未成年(10~18歳)のスマホ1日の平均利用時間

子ども全体 ▷ 3.2時間
男子高校生 ▷ 4.9時間
女子高校生 ▷ 5.6時間

(デジタルアーツ:第11回未成年者のスマホ利用実態調査:https://www.daj.jp/company/release/common/data/2018/030701_reference.pdf

 高校生…ヤバい…。そりゃあ勉強できないですね(笑)。私もそれなりにスマホ使いますけど、1日だいたい1~2時間です。アプリの内訳は、スケジュール系、Facebook、LINE、ネット検索、音楽配信…ってとこですね。目的なくいじることはほとんどありませんし、ゲームは、まったくやりません。

SNSにプラスしてゲームが入ってくる人は本当に終わりがないですよね。電車の中でスマホゲームやっているけっこういい歳したオジサンもたくさんいますし、高校生でもオジサンでもスマホゲームって関係ないんだな~って感じます。

なぜスマホゲームにはまってしまうかというと、わざと中毒性を高めるように設計されているからです。

たとえばガチャの仕組み。あれは100%もらえるより、予測不能な(くじを引いた)方がドーパミンの分泌量が増えるということを意識した設計です。さらにユーザーが飽きないように報酬(もらえるキャラを変化させるとか)を変化させています。そういう人間の心理を利用したデザインとなっているのです(先日、放課後の教室でレアキャラを引いて踊り出すくらい大喜びしていた生徒もいましたし(笑))

SNSも同じです。ポケットからスマホを出し、通知がどれくらい溜まっているか?「イイね」がどれくらいついているか?新しい情報がどれくらいあるのか?これが予測不能な報酬となっているので、何度もスマホを確認してしまう中毒状態になるわけです。

けっきょく私たちは、いつまでスマホやらSNSやらゲームをするんですかね?

このクラスでは「スマホ預かります運動」をしています。どこまで効果があるのかがわかりませんが、せめて学校にいる時間くらいスマホから離れてみませんか。隣の席の子と恋バナしたり、昼休みは腕相撲した方が豊かな人生だと思いませんか。週に2回くらい全員スマホなし日を作るのもありですかね?毎週〇曜日はSHRで全員スマホを回収とか。三学期にでもやってみましょうかね?。もう自制では難しい状況だと思います。少し前に読んだ本にも書いてありました。

「ゲームばかりしていると成績が落ちるよ」などと諭したくらいでは、依存を解消するのが難しいのも当然です…依存は病気として対策を考えるべきです。(「自分から勉強する子」の親の言葉 和田秀樹 著) 

アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉

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  • 作者:和田秀樹
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  • メディア: 単行本
 

10年前に想像すらしなかったスマホSNS。あたらしいサービスがどんどん登場し、利用時間が増えていく…そんな時代に受験をしなきゃならないなんて…私も高校生の頃、

「あ~おれは、いつまで週刊少年ジャンプを続けるのだろうか…」

と悩んでいたことありましたけど、そんな悩みとは次元が違いますね(笑)(ちなみに少年ジャンプは大学中に止めました)。