学級通信たまに教育雑感ブログ

実際に配布した【学級通信】を掲載しています

【学級通信】(第114号)留学という選択(2)

留学という選択(2)

飛行機

前々々回に引き続き、留学についてのお話です。今回も前任校の教え子(女子)に質問した内容を掲載します。留学する人もしない人も、興味のある人もない人も、人生にはたくさんの選択肢があるということを知ってください。

Q1.現在は何していますか?

6年間の留学後、今年の4月からXXXXXX株式会社で働いています。

Q2.高校三年生~留学~現在に至るまでの流れは?

高校3年生の9月頃アメリカ留学を決める。(詳細はQ3)。高校卒業後、すぐに渡米、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊に留学。半年間、語学学校で英語を学び、8月からカレッジに入学。2年半カレッジでビジネス学の一般教養を学び、その後ユニバーシティに編入し、さらに2年間ヒューマンリソース学(人材開発学)を勉強。(アメリカでは、学費などの面から大学の最初の2年間は一般教養をカレッジ(短大のようなもの)で学び、その後4年生大学であるユニバーシティに編入し、さらに2年ほどかけて専攻の専門の授業を取る形が一般的。留学費用がかなり抑えられるので、留学生のほとんどがこの流れで大学を卒業する)。4年後の12 月に大学を卒業。大学卒業後、1年間のみ就労許可が得られるOPTを利用し、日系人材紹介会社でリクルーターとして働く。2年後2月に帰国して就職。

Q3.海外に出たきっかけは?

高校3年生の時に、国内の大学のオープンキャンパスに行くも、いまいち興味が持てず、国内の大学を卒業した後の自分の将来が想像できませんでした。前々から持っていた英語を習得したいという思いと、多な価値観を理解したいという思い、そして親戚がロサンゼルスに移住していたこともあり、渡米を決意しました。

Q4.留学の斡旋業者はどこを利用しましたか?

ベネッセを使いました。サポートは大変充実していて安心できると思います。留学準備ですべきこと、ビザの申請、語学学校や大学への応募や申請書類の作成、合否連絡、渡米後の滞在先関係の手続き、海外での生活についてセミナーまで、幅広くサポートしてもらいました。他に留学斡旋業務をしている会社は、留学ジャーナル、留学情報館、ICC国際交流委員会などがあります。各社サービスや料金が少しずつ異なっているので、自身に合うものを選ぶのが良いと思います。

Q5.海外へ行くまでの苦労と、行ったあとの苦労

行くまでの苦労はさほどありませんでした。不安よりも期待の方の気持ちが大きかったからだと思います。行った後の苦労としては、一番は言語の違いでした。言語に加えて文化の違いにも苦労しました。はじめの3年間くらいは自分の意思が伝えられないこと、意思を言語化できても文化に違いがあり、理解してもらえないことがほとんどで、大学生活だけではなく、日常生活でも苦労しました。また、18歳で留学したため、買い物ひとつから住宅関係の手続き等、身の回りのことのほとんどをアメリカ式で行えるようになるまで苦労しました。

Q6.行って楽しかったことや、ためになったこと

ためになったことは、英語を習得できたこと、多種多様な人と交流することができ、さまざまな価値観を受け入れられるようになったことです。留学を経て、とても視野が広がり、自分の成長を実感しています。また、自分の生活を自分でマネジメントできるようになったのは、苦労があったからこそだと思います。世界各国に友達ができるなど、つながりが増えたことも素直に嬉しいです。

Q7.ぶっちゃけ海外に行ってどうだった?

非常に良い人生経験ができたと思います!本当に行ってよかったと思います。

Q8.高卒から海外へ行くメリット、デメリット

メリットとしては、18歳から数年間外国語(英語に限らず)の環境に身を置くことで、その言語が自分の一部になること。日本では出会えないような多種多様な人と関わるなかで、さまざまな価値観を吸収でき、人として成長できること。キャリアの選択肢が広がること。若いうちから自己管理能力がつくことです。デメリットは、将来日本での就職を考えている場合、情報やリソースが限られて就活が大変なこと(日本でも通年採用の一般化など、海外にいる学生が不利にならないような就職活動に移行していく予定)。国によっては未成年なので、滞在先の手続きや銀行口座の開設等、保護者や保証人の承認がないと行えないことがあることです。

Q9.高卒から海外行く後輩になんていう?

高校卒業後海外に行くという勇気ある決断をされたことは、素晴らしいことです。大変なこともあると思いますが、今までになかった貴重な経験ができるチャンスだと思うので、ぜひ楽しんで留学を満喫してください。そして、いろいろな国の友達を作って、自らの人生の財産にしてください。Good luck.

【学級通信】(第113号)社会科教員はクセがすごい

社会科教員はクセがすごい

日本地図

試験監督をしているときは問題用紙など見ないのですが、その日は違いました。

さあ何の教科かわかりますか?

そうです、政経です。鐘が鳴って、「始めてください」って言っているにも関わらず、生徒が一向に問題用紙をめくりませんでした(問題冊子の表紙の指示が面白すぎるため)。政経担当のM先生は、なかなか濃そうだなと思っていましたが、最高に濃かったです。素晴らしい先生が本校に来てくれたものです。進路部として、看護系進学希望者への指導もバリバリやっていただいています。一人1時間くらい面談しています。裁判所の傍聴に生徒を引率してくれたりもしています。本校に来てまだ2ヶ月ですが、10年前からいたような動きです。先日は、三時間くらい話し込んでしまいました。三学年の生徒の話から、研修で自衛隊に行った話まで、ノンストップでした。魅力的な人とはいくらでも話していられます。ちなみにこのクラスの副担任です。

先生という人はクセが強めな人が多いです。その中でも特に社会科は強めです。社会科クセがすごいんじゃ~ってずっと思っています。皆さんも思い浮かびますよね?倫理のN先生。もうこの先のあのような先生には出会うことはないでしょう(昔はけっこういましたが)。N先生とは前の学校にいたときに文化祭で機材をお借りしたのがきっかけで、お付き合いが始まりました。今年でもう8年目になります。初めて会ったときは衝撃でした(笑)。豪快でありながらも、とてもピュアな方だと思います。まさに本校のエドワード・ニューゲート。N先生と一緒に働いていた先生から聞くエピソードは伝説ばかりです(ここでは書けません)。今年度でご勇退ですので、7DAYSくらいさよならライブしてあげてください。

他にも、みんな大好きT先生(世界史)。廊下を歩けば「まさこーまさこー」と呼ばれまくっています。生徒からあんなに親しまれるには、いったいどんな技を使っているのか?ショルダーバッグに秘密がありそうなのですが…聞けずじまいです。

同じく世界史のK先生もクセ多め、ヤサイマシマシです。黒板を破壊するレベルのチョークの使い手で、サッカー部の監督さんでもあり、二郎系ラーメン大好きさんでもあります。風貌、体格ともに威圧感がマシマシですが、とても穏やかで、いろんなことを考えていらっしゃる思慮深い先生です。

地理担当のI先生も、皆さんが1年生頃にいたS先生も、み~んな社会科です。どうですか?クセすごくないですか?私が今まで見てきた先生の中でも、社会科の名物先生率は圧倒的に高めです。

13年前に一緒に担任した日本史の先生もなかなかの方でした。いつも「目が見えねー」「腰がいてー」と言っては仕事から逃げていました(笑)。君が代不起立訴訟の原告にも入っていました。早稲田出身の方でしたが、大学にはほとんど通わず、図書館で本を読み、テキトーにレポートを書いて卒業したそうです。理由は大学闘争の真っ只中だったからです。言葉しか知らなかった当時の話を経験者から直接聞けたのは良い経験でした。もうそんな話を語れる先生はきっといないでしょう。

そのころの地理の先生にも超強烈な人がいました。「地理バァ」と呼ばれていました。いつもエプロンをしていて小柄なおばぁさんでしたが、圧がハンパなかったです。たぶんあれは覇王色の覇気です。授業中に寝てようものなら、集中口撃が始まります。けっして怒鳴ったりはしませんが、口で勝てる人はいませんでした。名物・白地図の課題提出には、廊下に100人くらいの行列ができます。ちゃんと塗れていないと、説教&やり直しを命ぜられ、再度100人の列に並び直すことになります。根負けしたり、諦めて帰ったりしたら、課題の点数は貰えず、評価「1」が躊躇なく付きます。当然、保護者からのクレームはバンバン来ます。担任で対処しきれず、副校長や校長で対処しきれず、じゃあ本人(地理バァ)に直接どうぞと言って、地理バァと激オコの保護者が直接話をすると、激オコだった保護者が

「あの先生は素晴らしい先生だ。うちの子が悪かった」

と言いながら帰っていきました。

何で社会科はクセがすごいのでしょうか?何故クセのある本校に来たのか?と言われるほど普通のT先生も、実はクセがすごいのでしょうか?いつか教員のクセ度合いを見える化して、研究発表したいものです(またはカードゲーム化)。クセの強さは魅力だと思います。人と違うことは価値だと思います。皆さんも人と違うことを怖れずに生きてください。

今、進路で迷っている人がたくさんいると思いますが、担任との面談だけでなく、いろんな先生に相談してみてください。「進路面談お願いします」と言えば、相談に乗ってくれるはずです。歴代の三年生たちも、迷ったらN先生に相談していました。N先生曰く

「高校3年生の悩みなど、10秒で解決できる」

とのことです。いろんな先生の意見を聞いてみてください。(オススメは社会科です(笑))

【学級通信】(第112号)受験勉強を乗り切る5つの行動

受験勉強を乗り切る5つの行動

赤本

中間テストが終わりました。皆さん結果はいかがでしたか?高校最後の定期テストですから、普段の勉強の成果を出してください。高校最後の一年間で、定期テストで手を抜いたり、勉強を捨てたりしているようでは、もし、乗り切れたとしても、豊かな人生にはなりません。学ぶべきときに学ぶこと。それが豊かな人生に繋がります。少し前に話題になったツイートに、

というのがありました。学校での勉強はとても意味があると私は思っています。何かを捨てて何かを得ようとしても、教養は身に付きません。受験には関係ないからとか、苦手だからとか、役に立たないからとか…そんなことは関係ないのです。今、そこにあるものから、何かを学ぶこと、身につけることで教養が身に付き、豊かな人生となるはずです。政経も、倫理も、体育も、現代文も、その他の科目も、最後の1年間しっかり学んでください。

学校の授業や定期テストを頑張るのは当然ですが、受験生は受験勉強も頑張ってください。N先生の「受験ノート」に書いてありましたが、もし、サボっていたり、乗り切れていない人は、6月中にツケを払いましょう。(幾度も言っていますが)平日5時間以上、土日8時間以上、夏休み10時間以上やらなければ間に合いません。この数字は脅しではないです。学力向上に一番影響するのは学習時間です。楽してよくなる道はないのです。1日2時間程度の学習で受験に成功した例など、私は知りません。受験勉強の時間を確保しないことには、受かるもの受かりません。受験とはそういうものです。どうすれば時間を確保し、受験勉強に乗れるのか?以下の5つを参考にしてください

1.スマホとテレビを止める

スマホとテレビを止めれば、1日2~3時間くらい時間が増えます。1年間で2ヶ月増える計算になります(前回の学級通信にも書きました)。インスタやTwitterYoutubeスマホゲームを止められないという人は、そろそろ自分の人生と天秤にかけて考えましょう。休み時間にスマホゲームしている人、いつまでたってもインスタ見ている人…ハッキリ言って、もうそんな時間はありません。

2.勉強する友達とつるむ

自ら勢いに乗れない人は、受験ガチ勢の友達に相乗りしましょう。それが一番手っ取り早いです。このクラスにはガチ勢が12人くらいいますので、そこに乗ることをオススメします。もちろん他のクラスにも同じくらいいます。朝の教室や会議室に行きましょう。ガチ勢の友達が見つかります。一緒に勉強する名目で集まったあげく、おしゃべりする、遊んでしまう友達とはさっさと別れましょう。それは勉強する友達ではありません。

3.勉強しない友達は切る

「受験勉強にネガティブな友達は切れ」とN先生が言ったとか、言わなかったとか…そんな噂を聞きました。真相はともかく、まったくもってその通りだと思います。ここでいうネガティブとは、「否定的な」「消極的な」「後ろ向きな」だけでなく、「足を引っ張ってくる」「遊びに誘ってくる」友達を含みます。受験勉強の息抜きに友達を遊びに誘う場合、一番誘いやすい(狙われやすい)のは、受験勉強に乗り切れていない人です。交友関係が広い人ほど、いろんな人から誘われ(狙われ)ます。友達との付き合いはとても大切ですが、(意図しているかどうかにかかわらず)狙ってくる人の息抜きに使われているだけです。友情と混同してはいけません。もし自分の周囲がそういう状況なら、さっさと逃げ出しましょう。

4.生活習慣を朝型にする

高校に通う限り、朝型の方が学習に効果的です。7時台から自習室を使ってガチ勢になりましょう。

5.個人ノートをつける

個人ノートを配ってから40日が経過しました。継続している人もいれば、途中で止まっている人もいます。一度も出していない人は「ノート代を返してください!」…嘘です(笑)。1週間に1度は出しましょう。進路の話も書けますし、学校生活や、勉強のアドバイスも書けます(提出してくれている人には、受験情報をバンバン張って返却しています。頻繁に面談もできないので、私も助かっています)。何事も継続するところに楽しさや成長を感じられます。高校生の弱点は、継続ができないことです。それが成長しきれない大きな原因です。1日数分間ノートに向き合う。新しい習慣を作る。それが成長へと繋がります。受験や進路に対しても必ず効果が出ます。1年間ノートを書き上げて卒業してください。

【学級通信】(第111号)留学という選択(1)

留学という選択(1)

紙飛行機

「大学行ったら留学します」

という生徒はけっこういます。大学行ったあと、本当に留学したかはしりませんが(統計的には日本人留学生は減っているようですけど…)、留学する希望を持っている人は多いです。グローバルな世の中ですし、日本の中だけで生きていく時代でもなくなりましたので、どんどん海外に飛び立つべきだと私は思っています。

前任校では高卒~留学という道を選んだ生徒がいました。ほとんどの生徒が大学受験という道を選ぶ中、高卒すぐに留学する道というのはなかなか珍しいと思います。しかし、それもありではないでしょうか。思い立ったら行動する。計画も、努力も、お金も、勉強も必要になりますが、海外に思い切って挑戦するのは早い方が良いと思います。

今回の学級通信は、高卒~留学した前任校の生徒に久しぶりに連絡を取ったので、その質問の結果を掲載します。ちなみに、高卒~留学をした生徒を数人知っていますので、次号以降も掲載する予定です。

Q1.現在は何していますか?

〇〇証券で営業をしています。海外採用枠の為、10月入社、同期200以上のうち6人、1年後本社という条件付きです。

Q2.高校三年生~留学~現在に至るまでの流れを教えてください。

高校3年まで部活、祭り(行事)、青春を全力で楽しみました。大学受験の中で海外留学という選択肢をもらえました。キャリアの中で、まずは日本人として日本の文化や仕事を学ぶことも兼ねて、日本に戻り仕事をしています。

Q3.海外に出たきっかけは?

せっかくの選択肢をもらえた際に、海外に1人で飛び込む方が圧倒的にワクワクしたからです。

Q4.留学の斡旋業者はどこを利用しましたか?

NCNという業者を使いました。サポートは充実していますが、お金はけっこうかかります。節約するのであれば直接大学とやりとりすることもできますが、英語がある程度できないと難しいです。

Q5.海外へ行くまでの苦労と、行ったあとの苦労

はじめは英語です。9月入学できないと入学、卒業時期がどんどんずれます。その他、苦労は沢山ありますが大丈夫だと思います。

Q6.行って楽しかったことや、ためになったこと

全てが楽しかったです。たくさんの文化や人がいて、驚くことや上手くいかないこともありましたが、全て自分の成長に繋がりました。

Q7.ぶっちゃけ海外に行ってどうだった?

最高。お母さんありがとう。

Q8.高卒から海外へ行くメリット、デメリット

メリットは大学生として同じくらいの年代の現地の生徒と同じ生活感を送れることです。高校まで日本で培った知識や考えがある程度ある中で、大学のタイミングで行けるのはとても重要だと思います。両方を違うところから擦り合わせて自分で考えられました。デメリットはないです!強いて言うなら日本に詳しくなれないこと笑。

Q9.高卒から海外行く後輩になんていう?

留学の成功と失敗は、結局、自分次第だと思います。言葉や文化の壁なんて大したことないです。結局は人間なんです。限られた時間の中でとにかく自分自信が楽しんで、周りに好かれる日本人になって来てください。そしてその為の努力や挑戦は惜しまないでください。君なら絶対にできる!

おまけ.P.S

結婚式はまだですが結婚しました。アメリカ人の奥さんです。仕事は半期で全国1位をとりまして、楽しんでいます。またお会い出来るのを楽しみにしております!

彼はとても行動力のある生徒でした。2年生で文化祭実行委員長をやり、3年生では応援団長をやり、文化祭有志活動もやっていました。やりたいことを全部やりきって、人とは違う道を選び、必死に英語も勉強して、高卒で海外に渡った姿勢は本当にスゴイと思います。

高卒~留学は、斡旋業者に仲介してもらい、

渡航→語学学校→カレッジ→ユニバーシティ」

の流れが一般的だそうです。お金もかかりますが、もし興味があるのであれば、検討してみる価値は十分にあるでしょう。大手だとベネッセも留学斡旋をやっていますので、説明会に参加してみてはいかがでしょうか?

【学級通信】(第110号)ディズニーとニコ超

ディズニーとニコ超

お弁当

先日、高校最後の遠足が終わりました。皆さん、ディズニーシーはいかがでしたでしょうか?東京の高校の遠足といえば、

●1年→クラスの親交を深める目的で、BBQメインのバス旅行。

●2年→修学旅行の練習を兼ねて、羽田集合からの横浜巡りか、東京めぐり。

●3年→クラス関係なく、「もう好きにしなさいよ」って感じで、ディズニーランドかディズニーシー。

というのが鉄板です。私は「前年通り…」というのがつまらないと思うタイプなので、本当はニコニコ超会議に行きたかったです。しかし、ディズニーという巨大資本の前には、あのKADOKAWAでさえも勝てませんでした…残念。まあディズニーもニコ超もそれぞれの味があるので良しとしましょう。

遠足がディズニーとなってしまったので、ニコ超へは部活の生徒と行って来ました。目的は「日本の新しいICT文化を学ぶ」です。チケットは前売りで1,800円。ちなみにディズニーは遠足割引で3,900円。通常価格だと高校生は6,400円です。場所はディズニーが舞浜、ニコ超は海浜幕張幕張メッセ)なので20分くらいの違いです。一緒に行ったコンピューター部員が

「せんせー知っていますか?幕張で降りるか?降りないか?で同志かどうかがわかるんすよ」

と言っていました。この日は、電車の段階から選別が行われているようです(笑)。

駅から幕張メッセまで歩いているときのワクワク感、そして会場に入ったときのテンションがアガる感じは、オジサンになっても変わらないものだと改めて認識しました。このあたりはディズニーも同じだと思います。舞浜からのワクワク感。入場と同時にアガるテンション。イベントやテーマパークあるあるなのだと思います。(今、ディズニーリゾートラインでこの文章を書いていますが、どっかの女子高生のテンションが高すぎで、超声がデカいです…恐るべしディズニーリゾート!)

ディズニーは夢の国的なコンセプトがありますが、ニコ超は基本的に何でもありのイベントです。超OOというブースがいくつもあります。私が見ただけでも、超鉄道、超歌舞伎、超テクノ法要、超ボカロ、超コスプレ、超将棋、超音楽祭、超ゲームエリア、超アベンジャーズ、超動画絵師展…などなど。書ききれないほどたくさん見ました。

会場に入った瞬間の「平成・令和ブース」なんて、令和って書いてある額を持って、官房長官の真似して写真取るだけのブースです。そんなブースでも行列ができていました(笑)。他にも素人がただ歌うだけのブースや、N高の文化祭ブースなど…本当に多様でした。最後は、GLAYゴールデンボンバーのライブを一人で見ていましたが、その隣のブースではスマブラ大会で盛り上がっていたり、その奥ではボカロライブをやっていたり…多様を通り越してカオスという言葉の方が似合う感じでした。これで1,800円はお得過ぎです。どれも楽しいブースでしたが、最も印象に残ったのはキャッチコピーです。

「同じってうれしい。違うってたのしい。」

「違う」と「同じ」が共存できるってすごいと思いませんか?普通は「違う」って排除されますよね?自分と大きく違う人とは、なかなか仲良くなれないですよね?けど、ニコ超には「違う」を楽しめる雰囲気があります。独りで来ている人もたくさんいますし、一緒に来ても別れて行動している人たちも多いです。いわゆるボッチでも受け入れてもらえる感じが漂っていました。

ディズニーにはそういう雰囲気はありません。今回、両方とも経験をしてみて、ディズニーは「同じ」を強める世界だと感じました。ディズニーは何を見るかより、誰と行くか?が重要な気がします。並ぶ時間に誰と話をするか?誰と写真を撮るか?アトラクションの内容より気にしませんか?

こんな書き方をすると、ディズニーが悪者のように思いますが、そんなことはありません。圧倒的なクオリティで作り上げられた雰囲気で、ゲストを楽しませてくるのはさすがディズニーです。当たり前ですが、レベルは圧倒的にディズニーが上です。朝の入場から帰るまでずっと楽しめます。夜のライトアップ、帰り道も楽しませる導線の作り方、「まだ帰らせないよ」と言わんばかりのパレードの時間設定。ディズニーの世界は、ゲストを必ず満足させます。

みなさんはどっちの世界が好きですか?私はどっちが良いかはわかりませんが、どっちも満足できましたし、どっちも足が棒になりました(笑)。高校の遠足はもうありません。強引に行き先を決められて、強引に班を決められることはこの先(きっと)ありません。これからは、自分で計画して、自分で考えて、自分で経験してください。友達と一緒にディズニーに行くも良し、独りでニコ超に行くも良しです。選べるということが一番の自由なのですから。

ニコニコ超会議2019ポスターより掲載)

「キミは、いまドコにいますか?」
「キミの目の前には、いま何が見えていますか?」
「好きなものを好きと言えていますか?」
「嫌いなものを嫌いと言えていますか?」

僕たちは自分の人生の主役なんだ。
誰ひとりとして、脇役なんていないんだ。

価値観が違うのは、あたりまえ。
だからこそ楽しいんだ。
だからこそ感動できるんだ。

それが例え、自分とは全く違った人間でも、
いや、全く違う人間だからこそ、
仲良くなれたりするのかもしれない。

だから信じてほしい。わかってほしい。

「キミはひとりじゃない。」
「キミは特別な存在なんだ。」
「キミはキミを恥じることはない。」
「キミにしか見られないセカイがそこにはあるんだ。」

もし、明日、このセカイが終わってしまうとしても、
僕たちは何年も幾つものキセキを、この場所で共有してきたから。
この場所が、それを可能にしてくれたことは忘れないと思う。

日常と特別。
同じと違う。

そのすべてを包容できる空間を僕らは知らない。
ネットとリアルが共存している、この空間以外では。

きっと新しい出会いもあるだろう。
さあ、一緒に行こう!

みんなが「ニコニコ」できる空間へ。

written by 石月 努

【学級通信】(第109号)1日30分を続けなさい

1日30分を続けなさい

勉強

同僚の先生からオススメされた本「『1日30分』を続けなさいー人生勝利の勉強法55ー」を読み終わりました。この本は、社会人の勉強について書かれた一冊ですが、皆さんの大学受験にも役立つ内容が書いてありましたので、抜粋して紹介します。本自体も教室の後方に置いておきますので、ぜひ手に取って読んでください(付箋の部分だけでも見ると良いです)。ちなみに教室の後方ある学級文庫は、「本くらい読む人生であれ」という思いを込めて設置しました。持って帰って読みたい場合は、一言声をかけてください。 

 -------------------<内容抜粋>--------------------

●この本のなかでは、具体的な勉強法以外にも、勉強に対する考え方や心構えもたくさん伝授しています。なぜなら、小手先の勉強法よりも、あなたの心構えのほうが100倍大切だからです。

▷テクニックよりも意識の方が大切ですよね。

●「私はこのままで、自分に対してプライドが持てるのか?」と、もしくは、自分を向上させる努力をせずに、このまま10年が過ぎたときの将来の姿を想像してみてください。

▷第1志望を叶えている自分を考えてください。

 

●習慣を変えるのはしんどい作業です。しかし、これ以外に現状を変える方法はありません。

▷習慣が変われば運命が変わるんすよね。

 

●Y=A×B×X×X+C
Y→勉強の成果、A→教材・サービスの質、B→集中力、X→勉強時間、C→過去の勉強の蓄積。勉強の成果に対するもっとも影響の高い因子は、勉強時間。教材・サービスの質2割、勉強量8割で勉強の成果が決まると考えて間違いありません。

▷やっぱり勉強時間が一番影響します。

 

●一年間の実質活動時間のうち、約2ヶ月間もテレビに浪費しているのです。…テレビを見ないでいると、6年ごとにさらに1年分の人生(時間)をプレゼントしてくれるのです。

▷ついでにスマホをやめたら3か月くらい勉強期間が増えますね。

 

●脳に「勉強=痛み」と関連付けさせないためには、定期的に休憩をすることがとても重要です。

▷15分勉強→15分休憩でもOKだそうです。

 

●時間があるにもかかわらず、直前まで手をつけずに短期集中型勉強にすると合格確率が下がります。

▷直前に本気になっても合格確率は低いです。

 

●簡単なスケジュール表を作って、いつでも見られるように机の前に貼っておきました。そうすると、勉強のモチベーションを保つのに役立ちます。

●勉強前にたった3分でいいですから、必ず紙に1日目標を書き出してください。

●書き出した目標を毎日読み返すことが大切です。

▷スケジュールと目標を個人ノートに書いてから勉強しましょう。定期的に読み返しましょう。

 

●資格などの試験を受ける場合を例にすると、心構えとして「もう受験しても大丈夫」と思ってから受験してはいけません。こんなふうに考えると、合格や目標点を取るまでに予想以上の年月がかかってしまいます。

▷勉強するまで模試を受けない…意味ないですよ~

 

●多くの人が、「~したら、~する」という考え方をします。…そうではなく、「何月何日までに私は~する(になる)。それを実現するためには~する」にする…思考法を逆にすれば、あなたの夢や目標は確実に、いままでの数倍早く達成できます。

●目標達成のために注ぐエネルギーや時間が、いままでと変わらず固定のままなので、目標達成のほうが変数になっているのです。

▷勉強しないことで、目標がどんどん変わっていくのは避けたいですね。

 

●勉強を続けていくためには、ある程度の代償を払うことが必要だということです。友人との付き合いも多少減るかもしれません。休日に家でゴロゴロできる時間も減ります。

▷優先順位は5時間以上の学習時間の確保です。

 

●勉強の大敵のひとつは、意外に思われるかもしれませんが、食事です。理由は、食事をすると体が食べたものを消化しようと胃に血液を集中させ、食後1時間程度は集中できない状態になるからです。…(人間の起きている時間である)17時間中の3時間は非生産的な活動時間になってしまいます。

▷朝は果物、昼~夜は(野菜+ご飯) or (野菜+肉・魚)、一回に食べ過ぎないことなどをオススメしていました。1日3時間が有効に使えれば、1年で2~3か月集中できる時間が増えます。
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参考になりましたか?GWも終わって、まだペースのつかめていない人はマズイですよ。スマホ止めて、テレビ止めて、遊び止めて、食事を注意して、1日5時間以上目指して1年間やり切ってください。きっと運命が変わりますので。

【学級通信】(第108号)キミは今日、何しに来たの?

キミは今日、何しに来たの?

挙手

GWが終了し、5月になりました。3年生としてのペースは掴めていますか?やることは明確になっていますか?受験生は平日5時間、土日8時間は勉強できていますか?これから遠足→模試→中間テスト→体育祭と一気に進んでいきます。ボーっと生きることのないように、自分のペースを掴んでください。

今回の学級通信は、3年生での授業についてです。

「皆さん、受験に関係ないからといって内職したり、スマホいじっていたり、寝ていたりしていませんか?」

3年生になって授業ちゃんと受けてなかったら、学校に通っている意味なんてないですから、1、2年で不真面目だった人も、受験ガチ勢の人も、そうじゃない人も、たかが14単位+自由選択(最大で週20時間以内)の授業は真剣に頑張ってください。1、2年次のときに比べて授業時間は約半分ですし、実質8ヶ月くらいしか受けませんので。

授業に積極的に取り組むというのはとても大切なことだと思います。自分で希望して選択した自由選択科目だけでなく、必修科目もです。理系に進学する人は(たぶん)これから一生、現代文や政治・経済、倫理(大学で哲学とか取ると内容が似ているかも)の授業受けることはないでしょう。体育も同じです。週2回、強制的に運動する時間を作ってくれることなんてこれからはありません。興味のある無しに関わらず、授業をしてもらい、施設を用意してくれる環境があるというのは素晴らしいことです。だから、高校のすべての授業は積極的に受けて欲しいです。

最近の世の中では「主体性」が求められています。主体性を辞書で調べると、

「自分の意志・判断によって、自ら責任をもって行動する態度や性質」

と書いてありました。皆さんそういう態度や性質を持ち合わせていますか?世の中で求められるものですから、持っていないと社会に出られないかもしれません。

教育現場でも「主体性」が強く言われています。次の学習指導要領(文部科学省が10年に一回くらい改定する教育の方針・内容などが示されている基準)でも、主体性という言葉がたくさん出てきます。おとなしく座って、授業を何となく受ける時代は終わったということが強く叫ばれています。今までの世の中でしたら、授業を何となく受けて、何となく高校生活を過ごして、何となく受験して、何となく卒業すれば、何となく生きていけたかもしれません。しかし、これからそうはいきません。大学入試も厳しくなり、就職も厳しくなり、既存の仕事もAIに奪われる世界がやってきました。そういう世の中で求められているのが「主体性」ということなのだと思います。

3月に留学経験のある卒業生と食事をしました。その子は留学先での授業の話をしてくれました。

「留学先の授業では、パーティシペーションという評価項目があったんです。パーティシペーションというのは授業への参加する姿勢を評価する項目のことですね。あっちの授業では、先生がやって来て『今日は何やる?』と聞いてきて、何にも答えがないと、何もしないで帰っちゃうんですよ(笑)。だから、生徒は質問したり、ディスカッションしたりするんですけど、周りはネイティブばかりだから全然ディスカッションに入れなくて、あたふたしているうちに気づくと授業が終わっていて、パーティシペーションという項目に低い評価がついているんです。だから語学力が低いときはかなりキツかったですね~」

皆さんこれを聞いてどう思いますか?私は、あーこれがグローバルな世界で求められていることなんだろうなぁ~日本の教育が遅れているとか、受け身だとか言われても仕方ないよな~と感じました。(どの国もとは言いませんが)海外ではこうやって主体性が鍛えられているのだと思います。

「キミは今日、何しに来たの?」

ということを常に問われ、態度や行動を評価されて育った人たちと、何となく授業を受けて、何となく過ごしている人たちとでは差がつくのは当然だと思います。これからグローバルな世界で生きていく皆さんは、そういう環境で育った人たちと一緒に働くわけです。そういう時代に今、生きているということを覚えておいてください。

日本の授業にパーティシペーションの評価はありせんが、内職していたり、居眠りしていたら、間違いなく低い評価になるでしょう。せっかく受ける授業が無駄な時間にならないよう、「主体性」を持って取り組んでください。パーティシペーションは高めで過ごしましょう。

【学級通信】(第107号)大学受験の勉強量

大学受験の勉強量

勉強する女子高生

明日からゴールデンウィーク10連休がやって来ます。文化部さんたちの最終公演もありますし、運動部さんたちも引退試合があると思います。最後の部活を全力で頑張ってください。最後まで全力で楽しめることがあるのは、とても幸せなことなのですから。

しかし、それと同時に勉強も忘れないでください。昨年度からずっと言っていますが、大学受験に合格するのならば、

・平日5時間以上
・土日8時間以上
・夏休み10時間以上

の学習時間が最低限必要です。東進ハイスクールが学習時間の調査をしたグラフが有名ですが、このグラフを見ると三年生はトータルで現役不合格者も、現役合格者も2000時間を超えて勉強していることになります。(もともとのグラフの意味としては、難関大合格者と不合格者では、高1からの学習時間の差が、3年間のトータルで390時間になるという話です)。

一年生、二年生で学習時間の少ない人は、三年生でやる時間はもっと増やさなければいけません。受験する大学のレベルにもよりますが、2000時間を目安にした場合、1日どれくらいやらなければならないのか求めてみましょう。5月1日~1月31日までの9ヶ月間を学習期間とすると、約270日間勉強することになります。単純に計算すれば、

2000時間 ÷ 270日 = 約7.4時間/日

となります。一週間にすれば、

7.4時間 × 7日間 = 約52時間

です。平日6時間だと、土日に12時間必要になります。平日5時間だと、土日に13.5時間必要になります。平日4時間しかやらないと…土日16時間必要に…どんどん苦しくなっていくのがわかりますよね?多くの受験生が長期休業日中(夏休みや冬休み)に15時間以上やっている意味がわかりましたか?

学習時間を増やすというのはとても重要です。1日1時間増やせば、1月31日までに270時間(11日間分)増えます。30分増やすだけでも、つもり積もれば他の受験生に比べて6日分くらいは多く時間が取れます。他よりも10日間多く勉強できたら、合否結果は変わります。

受験勉強は積み重ねです。学習の質も重要ですが、とにかく量もこなしましょう。本校の生徒は、のほほ~んとしていて、

「受験期なんで~平日2時間くらいやっていま~す」
「土日は3時間くらいやれいるんですよ~」

とか言っていますが、ぜんぜん足りないです。ヤル気がでないとか、疲れるとか、ゲームやSNSに気を取られちゃうとか…そんな場合じゃないんです。とにかく時間が足りないという自覚を持ってください。

7時台には学校に来て、朝から3時間勉強。放課後はすぐに塾に直行し(講義を除き)4,5時間勉強。家に帰って1時間勉強。平日でもトータル1日8時間以上こなしている人もいます。ぜひ皆さん見習ってください。行事や部活があっても、朝の時間と17時以降をきちんと使えば、トータルで7,8時間は必ずこなせるはずです。

昔一緒に働いていた先生が

「高校生活って楽しい思い出がいっぱいできるんですけど、進路実現ができなかったら楽しい思い出に、ほろ苦さがついちゃうんですよね」

と言っていました。高校でのキラキラした思い出がさらに輝くように、最後の1年間本気を出してください。また、今までキラキラしていなかった人は、最後に進路実現を見せつけて全部ひっくり返してやりましょう。希望の進路を叶えるというのはそれくらいの威力があります。

今年のGWは10連休。ある意味、長期休業日です。夏休みと同じモードで頑張ってください。1日15時間の日が何日間かあっても良いと思います。10連休でトータル何時間できたか?GW明けに教えてください。楽しみに待っています。

【学級通信】(第106号)部活引退ラッシュ

部活引退ラッシュ

スパイク

先日、高校サッカーのインターハイ予選がありました。本校はH高校とあたりました。試合はうちの先制点から始まり、そこから取って取られて逆転されての激しい展開となりました。試合終了間際、2ー3で負けたかと思った最後のプレーでのMくんの同点弾は、グラウンド中が盛り上がっていました。その後のPK戦では、Nくんの好セーブもありましたが、最後には相手が勝り、残念ながら負けてしまいました。選手も観客も泣いていました。キャプテンは「夏の選手権も応援よろしくお願いします」と言っていました。しかし、何人かの三年生はこの大会で引退します。夏まで残ると受験勉強がキツくなるというのが大きな理由です。私も4年間サッカー部の監督をしていたので、この時期の選手の気持ちはよくわかります。

・選手権まで部活に残るか?引退か?
・残っても試合に出られるだろうか?
・残って受験に失敗したらどうしよう…
・辞めたのに遊んでいたら、残った選手に申し訳ない…

私は監督として、夏までやって欲しいとずっと思っていました。選手権までやらずに引退するなんて、そんなのは引退ではなく退部だ!とすら思っていました。熱いでしょ?まあそれだけ一生懸命に部活に打ち込んでいたということです。若かったなぁ~

サッカー部の顧問に成りたての頃は、選手権に三年生ゼロ人という状態でした。しかし、熱意はじょじょに伝わり、三年生が選手権にほぼ残る部活となりました。残ってくれた子たちに良い思いをさせようと、練習環境だけでなく、勉強の環境も整えました。引退までのすべての予定を4ヶ月前には出し、塾や模試の予定を調整できるようにしました。

夏の戦いは一回戦で負けてしまうこともありましたが、それでも熱い夏となりました。三年生(受験生)を連れて合宿にも行きましたし、とにかくみんなが部活と勉強に必死でした。他の受験生とは違って勉強時間は限られていたと思いますが、残った選手は、国立合格、有名私大合格…と、みんなそれぞれの進路希望を叶えていました。後で聞いた話では、最後まで部活をやって受験結果が悪かったら恥ずかしい…と必死だったそうです(笑)。

こんな話を書くと、途中で去っていた人たちが悪いみたいな印象を受けますが、そんなことはありません。先に引退した子たちも、悩みに悩んで選んだ引退ですから、勉強でも結果を出していました。後で聞いた話では、先に引退したのに受験結果が悪かったら恥ずかしい…と必死だったそうです(笑)。

逆に、中途半端に引退した子たちは受験に失敗していました。友達に誘われて何となく引退してしまった子たちの多くは、勉強がうまくいかなかったようです。卒業のときに話を聞くと、後悔しているとのことでした。(話を聞いた子は、一浪して理系難関私大に合格)。けっきょく、大切なのは自分で考えぬいて覚悟を持って判断し、行動することなのだと思います。

目標を決めて何かをやりとげるには、覚悟と行動力が必要です。中途半端では何もできません。応援団でも、部活でも、行事でもです。勉強から逃げての部活、勉強から逃げての行事、勉強から逃げての応援団は最高にカッコ悪いので止めましょう。やることやっている人が一番カッコいいんです。

これから多くの部活が引退を迎えます。最後の時期をどうやって過ごすか?引退したあとにどういう行動をするのか?ぜひ真剣に考えて、判断して、行動して欲しいと願います。

ちなみにサッカー部の試合には何人か応援の生徒が来ていました。友達の応援に行くというのは素晴らしいことです。もし日程が会うのであれば、どんどん応援しに行ってあげてください。私も三年生の担任として、できる限り応援しにいく予定です。

ちなみに、我らが学年主任のS先生も、ご自身の作品を展覧会に出展されます。国立新美術館にて開催されています。六本木の雰囲気を味わいながらGWに美術作品観賞してはいかがでしょうか?高校生以下は無料です。大人は有料ですが、頼めば招待券もらえます(たぶん)。

【学級通信】(第105号)個人ノートという名の交換日記

個人ノートという名の交換日記

ノート

「個人ノートをやろうと思います」

と宣言してから約一週間が経ちました。ようやくアマゾンでノート40冊を購入できましたので本日配布します。本当は高級そうなノートを買いたかったのですが、オジサンの予算ではちょっと届きませんでした。安いキャンパスノートですが、5色から選べるようにしたので、お許しください。
ノート
このノートの目的はいくつかあります。まず、第一は、自分を振り返ることです。受験勉強、部活、行事、進路、遊び、インスタやTwitterのチェック…などなど、高校生は大忙しです。落ち着いて物思いにふける時間すらとれない人がほとんどでしょう。しかし、流されるだけの生活では、何かを発見したり、成長を感じたりすることはできません。ボーっと生きていたのでは、人間は成長できないのです。

そこで個人ノートの登場です。ノートに向かい合ってその日その時の気持ちや出来事を綴ることで、考えや気持ちが整理されます。一ヶ月も記録が溜まれば、自分の成長を感じるとることができるはずです。変化や成長をしていなくても良いのです。成長していないことを実感することが成長なのです。

第二の理由は、担任とのコミュニケーションのためです。私と仲良くしてくれという意味ではありません。私は約40人と毎日面談できるスーパーティーチャーではありませんから、ノートを通じて皆さんの成長を見守りつつ、何かしらのサポートをできれば良いと考えているだけです。三年生になると、選択科目が多くなり、会える時間帯も少なくなりますので、ノートに質問や要望などを書いてくれば助かります(叶えられるかは別にして)。

第三の理由は、卒業のときに残る物としての思い出です。こんな時代ですから、写真も日記もどこにあるかもわからないサーバー上に保存されています。デジタルであれば検索もできて、過去の投稿を見ることもできますが、一年間書き続けたノートとどちらの価値があるかと言えば、ノートの圧勝だと思います。個人ノートを書き続ければ、思い出の一冊になるはずです。

他にも理由はありますが、とにかく一年間(実質8ヶ月間)書いてください。「だりぃ」「めんどくさい」と言わず、そのときの感情を綴ってください。1日に数分だけでもノートと向きあってくれることを願います。日記帳、スケジュール帳、学習記録、成長ノート、コミュニケーションノート、思い出ノート…どんなものにもなるはずです。

書く内容は、基本的に何でもOKです。疑問に思ったこと、聞きたいことなど何でも気軽に書いてください。授業の感想、学校生活の感想、最近感じていること、担任や学校に対して、こうして欲しい、こんなことをお願いしたいなどの要望、最近こんなことがありました的な雑談でも構いません。さらに、進路個人面談の結果、大学の資料、模試の結果、N先生の「受験ノート」など…管理に困るプリント類を張っておくのもOKです(←これ結構大切です)。しかし、「特にありません」とか、誰かに対する誹謗中傷を書くことは止めてください。また「死にたい」などのネガティブな感情を書きたくなった場合は、直接、相談しに来ましょう。

提出方法は、私と合ったときに渡してくれればよいです。SHRのときに私の持っているカゴに入れてもらえれば気がつきます。その他で出したい場合は、職員室かパソコン室へ来てください。担任が見てコメントを書き終わった(プリントを張る場合もあります)ら、次に会ったときに返却します。基本はSHRのときに返却する予定です。

毎日提出してもよいですが、基本は週1回の提出でOKです。1週間のうち何曜日でもよいです。書くのも同じです。毎日書いても週1でも良いです(できれば毎日書いた方が良いです)。とにかく週1回以上は必ず書いて、必ず提出してくださいというシステムです。出されなかった場合は、ご請求します。

個人ノートで知り得た情報を他の人に教えることはありません。逆に(私からのコメントも含め)皆さんが自分で他の人に見せるのは構いませんが、SNSなどで広めるのは止めてください。誰がどのように捉えるかはコントロールできませんので。

(何を書いて良いかわからない…)
ノートを渡された多くの人が言う言葉です。堅く考えず、気楽にいきましょう。「何を書こうかな?」と、今日を振り返るだけでも意味のある取り組みなのですから。

【学級通信】(第104号)3年生での所信表明

3年生での所信表明

演説

3年生2日目です。2年生最後も進路説明会で、3年生最初も進路説明会スタート…まあそれだけ3年生は進路実現が大切だということです。ちなみに進路関係の行事は今後もいろいろあります。現段階で計画されているだけでも以下の通りです。

【今後予定されている進路関係行事】
・04/24(水)26(木) 奨学金説明会
・05/11(土) 記述模試(希望者)
・06/12(水)13(木) マーク模試
・07/08(月)09(火) 記述模試
・07/09(火)10(水) 推薦ガイダンス
・09/05(木)06(金) センター試験ガイダンス
・09/25(水)26(木) マーク模試
・10/04(金) 面接説明会
・10/12(土) 記述模試(希望者)
・10/17(木) 併願プラン説明会
・11/05(火)06(水) マーク模試
・01/18(土)19(日) センター試験
・01/20(月) センターリサーチ

こういう進路行事はすべて繋がっていますので、(だりぃ~)(めんどくせぇ~)と後ろ向きに捉えずに、せっかくの機会だと前向きに考えてください。

さて、3年生は1年生と違って、明日から授業に突入します。ゆっくりオリエンテーションをしている暇はありません。本当はゆっくり自己紹介とかレクリエーションとかして親交を深めたいのですが…残念です。なので、この学級通信を使って、クラス方針というか、私の考え方というか、皆さんへのお願いを書きたいと思います。ちょっと冗長で長いかもしれませんが、大切なことと思って書きましたので、真剣に読んでください。そして保護者の方にも渡してください。いちおう学級通信ですので。

クラウドサービスで連絡するよ(保護者にも)

せっかく契約しているサービスなので活用しようと思います。通知はオンにしておいてください。ついでに投稿(連絡)を見たときは、「チェック」を付けてください。基本的にはSHRで話した内容や必要なプリントのPDFを送る予定ですが、お互いに忘れないようにすることを目的として使用します。ご協力をお願いします。保護者の方へも連絡をする予定です。パスワードなどが分からない場合は、お気軽にご連絡ください。お子様を通じてパスワードの用紙をお渡しします。

スマホ預かります

スマホいじって勉強に集中するのが難しい人は、スマホを預かります。朝、SHRのときに渡してください。返してほしいときには、(授業時間とかでない限り)いつでも返してあげます。受験生ですからSNSYouTubeやソシャゲーを断って、勉強に集中してください。1日1時間以内に抑えられると良いでしょう。使って良いのは学習系とLINE(連絡)だけだと思います。自分で踏ん切りが付かない人は、「担任スマホ預り制度」をご活用ください。

➌ 個人ノート

と~っても悩んだのですが「個人ノート」をやろうと思います。簡単に言えば、担任との交換ノートという感じです。毎日提出してくれても構いませんが、一週間に一度は必ず提出してください。お返事を書いて返却します。人は誰にでも物語があってそれを語ることが大事だと思っています。誰かに語るだけでなく、自分に対して語ることもです。過去のことでも、今でも未来のことでも構いません。日記風でも良いです。歌詞とか詩、楽しいことや悲しいことでもいいです。何か思い付いたことや気づいたことや感じたことを書いてください。一年間(実質8ヶ月くらい)やり取りして、最終的には高校三年生のときに自分がどう過ごしたかの成長の記録になればよいと考えています。デジタルの時代だからこそ、一冊の手書きのノートに価値があると思います。卒業のときには卒業アルバムと共に思い出の1つとしてください。

➍ 学級ノート

このクラスでは学級日誌はやりません。その代わりにクラスノートがあります(旧クラスメンバーは知っていると思います)。これはクラス内で輪番で回ってくるノートです。2冊同時に回します。渡されたら、嫌な顔せずに書いてください。友達の考え方や様子を知ることが目的です。twitterやインスタで人の行動を知れる時代ですが、真剣にノートを書いて共有(シェア)するのも味があると思いますし、自分で書いた内容を全員に見られるという経験は、きっと意味があるはずです。

➎ 顔見て挨拶してね

挨拶ができれば、世の中生きていけます。笑顔で人の顔を見て「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」を言えるようになりましょう。無言で会釈…イヤホン付けたまま無視して通り過ぎる…それでは世の中生きていけません。挨拶は生きる力です。

➏ 全員の第1志望を叶える

皆さんの3年生での第1目標は「進路実現」だと思いますが、私の一番の目標も同じです。しかし、皆さんに代わって受験をしたり、就職したりすることはできませんので、基本的には応援するだけです。皆さんの夢が実現するための出来る限りのサポートをしていこうと思っています。

➐ 学級通信(その他の手紙類)を保護者に渡して

三年生になると重要書類が増えます。必ず保護者に渡しましょう。学校からのお手紙類が届かないことで、進路に大きな影響が出ることもあります。学級通信程度でも学校の様子をお知らせするためにはとても大切なものです。必ず渡すようにしてください。

➑ 遅刻・欠席(サボり)しないで

時間を守ることは、約束を守ることの最上位にある行為だと思います。約束を守れないというのは、信用を失うことに繋がります。信用を貯めるのには時間がかかりますが、失うのは一瞬です。遅刻・欠席(サボり)をしないということは、信用を貯めているということです。1,2年生で遅刻の多かった人は、3年生でその癖を直してください。信用される人になって卒業しましょう。

➒ 嘘はつかないで

「嘘つきは泥棒の始まり」です。人を騙して生きていく人になってはいけません。嘘を平気で付けてしまう人間になると、最終的にはひとりぼっちになります。複雑な現代を一人で生きていくのはとても難しいことです。正直に生きることが心身ともに健康でいるためには必要です。ダメなことをしたら素直にゴメンナサイをしましょう。嘘をついて誤魔化すと回りまわって損することになります。

➓ いじめはダメ

誰かをいじめることや、誰かを排除することは許しません。誰かをいじめたり排除した場合、それはいつか自分(また自分の子や身内)がいじめられたり、排除されたりすることを認めるということです。クラスみんな仲良くしろとは思いませんが、多様性を認める集団であってください。自分と合わない人と同じ空間にいることは貴重な体験です。気の合う人とだけ付き合って、その他に目を向けないことのないようにしましょう。それではグローバルな世の中では生きていけません。

⓫ 受験生は勉強してね

受験をするなら平日5時間以上、休日8時間以上、夏休みは10時間以上勉強してください。受験はノリと勢いだけでは乗り越えられません。やることを地道にやらずに合格することはできません。スタートを切れていない人は、今日から平日5時間以上やりましょう。能力があるにも関わらず、それを磨けないまま時間だけが過ぎていくことのないようにしてください。

⓬ ルールは守って

学校のルール、社会のルール、人としてのルールは守りましょう。ルールを守らずに自由と言っていたらただの獣です。

⓭ 空き時間を自習に使って

受験生の最大のポイントは空き時間の活用です。選択授業のない時間、電車の待ち時間など、今までスマホいじっていた時間のほとんどが使えるはずです。部活や行事を言い訳にせず、時間を捻出する工夫をしましょう。

⓮ 睡眠をとって

良い学習も、良い生活も、すべては睡眠にかかっていると言っても過言ではありません。ちゃんと寝ましょう。22時~6時が睡眠時刻なら8時間は寝られます。夜型の生活は止めてください。全日制に通っている限り、朝型の生活の方が学習効果は高くなります。

⓯ 教室にモノを置かないで

このクラスは定時制も使用します。モノを置かないようにしてください。お互いが気持ちよく使えるようにキレイに使いましょう。

⓰ 悪いつるみ方は止めて

悪いつるみ方をする友人関係は断ちましょう。一緒に勉強する関係、一緒に成長する関係を築いてください。足を引っ張る関係(悪いつるみ方、悪さする仲間)は断ち切りましょう。良い友人関係というのは一緒にウェイウェイする関係ではなく、お互いの行動を尊敬し、刺激し合う関係です。

⓱ 人に感謝して

成長する人や組織に共通しているのは、人に感謝することができていることです。全く同じ条件、全く同じ環境であっても、感謝できない人(ありがとうが言えない人)は不幸の悪循環に陥り、感謝できる人はたくさん成長する機会を得られます。不満や愚痴を言うよりも、「ありがとう」を探す方が成長できることを覚えておきましょう。

他にもたくさん言いたいことがありますが、その都度、ホームルームや学級通信でお知らせしていきます。担任として、皆さんの成長の手助けができれば幸せです。1年間よろしくお願いします。

【学級通信】(第103号)3年新クラスでのご挨拶

3年新クラスでのご挨拶

スタート

本日4/8(月)からこのクラスの担任になりました。よろしくお願いします。今年度、私は3年生の授業を受け持つことはありませんので、3年生に対してやることは「進路サポート」と「生活サポート」です。教育業界では「指導」という言葉を使うのが一般的ですが、偉そうなのでサポートと表現しておきます。簡単に言えば、皆さんが最後の高校三年間を無事に過ごせるようにするのが私の役割です。そのために何をするかを具体的に書いておきました。

1.LHRSHRにやってきて連絡する
2.進路に関する面談をする
3.進路に関するアドバイスをする
4.行事の相談や手助けをする
5.生活習慣をサポートする
6.ダメなことしていたら注意、説教する
7.悩みがあれば話を聞く
8.頼み事があれば、やれる限りは手伝う

こんな感じでしょう。国語、数学、英語の先生ならば、受験教科指導もできるのでしょうが、私は受験科目ではないので、受験に関しては応援するというスタンスになります。

もう3年生ですからこの学校にも慣れているでしょうし、受験勉強や進路に関する準備も整っていると思います。ですから、私が何かをする必要があるのかわかりませんが、便利に使ってもらってOKです。もちろん使わなくてもOKです。

ちなみに、テキトーなように見えても私は学校の先生ですので、ダメなものはダメを言いますし、皆さんにとってウザいと思われることもあるかもしれません。そこはご了承ください。約40人が1年間過ごすのは大変なことです。この学校は7クラス編成ですから1学年約280人です。3学年合わせると約840人です。それを約45人の先生で運営するのですから、大変だとわかりますよね?勝手な人間が1人でもいたら、学校なんてものはすぐに崩壊します。 クラスなんて一瞬で崩壊します。良い学校を保つためにも、皆さんに守ってもらいたいルールがいくつか存在しているわけです。このクラスでも、皆さんにお願いする事がいくつかあります。それは他のクラスにはないことかもしれませんが、このクラスを良くするため、皆さんの成長のため、最後の1年間を無事に過ごすためのお願い事です。詳細は次回の学級通信に掲載しますが、本日、1つだけお願いしておきます。それは、「周囲の不安を取り除いてあげてください」ということです。

現在の皆さんは、新しいクラスになって、期待より不安でいっぱいですよね?友達はできるのか?担任は信用できるのか?前のクラスの方が良かったかも…あいつ俺(私)のこと嫌いっぽい…などなど。ネガティブな感情がドパドパ出ていますよね。それは当然のことです。しかし、そこから逃げるのは止めてください。下を向いて、目を合わさない。スマホに逃げる、音楽に逃げる、単語帳に逃げる、前のクラスの友達へ逃げる、部活の友達へ逃げる…関わりから逃げることは、さらに自分の心を重くするだけです。

まずは「これから、よろしくね」「うん、よろしくね」という関係を作ってください。担任に対してもです。「よろしくね」「よろしくお願いします」の一言が、相手の不安を打ち消します。隣の席の子に、前後の席の子に、「これからよろしくね」と言ってください。それで、前後左右で四人の不安を打ち消します。一人でも「うん、よろしくね」と返ってきたら、自分の不安も打ち消してもらえます。他人の不安を打ち消してあげることで、自分の不安が消えるはずです。

担任として1年生の頃から言い続けていることがあります。それは

「クラスは仲良くなくてもいいから、もし困ったことがあったら助けてあげる、助けてもらうクラスにはしてください」

ということです。そういう関係は生きていくうえでとても重要だと思うのです。

「誰かを排除しない」
「困った人は助ける」
「困ったら助けて欲しいと伝える」

この3つができたら、皆さんは社会で立派に生きていけるでしょう。そういう世の中は幸せだと思うのです。

とりあえず、スマホなんてさっさと捨てて、クラスに馴染みましょう。新クラスや元クラスの悪口を言って過ごすのは失敗するので止めましょう。新クラスのスタートがうまくいくことを期待しています。

【学級通信】(第102号)新しいクラスの不安を打ち消す

新しいクラスの不安を打ち消す

桜

新年度を迎えました。1年前のこの日、Fさんが号泣していました。最初のホームルームでNくんをいじったのに全く反応はありませんでした。みんな下を向き、スマホをいじっていました。春休み中に抱いていた期待感はどこかへ消え、全員が不安の中にいました。今、皆さんの気持ちはどうですか?この後の始業式から帰ってきたあと、皆さんは散り散りバラバラになります。その先で何が待っているのでしょうか?楽しいことか?辛いことか?

新年度を迎える度に思うことがあります。新しい生徒たちとやっていけるかな…という不安です。

前のクラスが良かった…
いつも頼っていたあの子がいない…
またゼロからやらねば…
あいつ絶対に俺のこと嫌いだよな…

そんな感情がドバドバと現れて、押し潰されそうになります。大人でも子どもでも同じです。私より経験が少ないはずのA先生も、F先生も、うまくこなしているように見えます。N先生はクラスを上手にノセているし、A先生はお母さん感たっぷりの安心感が漂っています。S先生は仙人のように落ち着いて、皆、何事もなく過ごしている…あー私はなにやっているんだろう…と、この後、感じていくはずです。

生徒には、

「4月は慣れるまでに時間がかかるぞ!」
「3月中から準備しておけよ!」

とか言いながらも、私はビビっているわけです。皆さんにかけている言葉は、けっきょく自分に言い聞かせている言葉なのでしょう。皆さん、以下の言葉を自分に言いきかせてください。

(落ち着けおれ)
(大丈夫だ、自信もて)
(みんな同じように不安だ)
(そのうちみんなカッコよく(かわいく)見える)
(自己紹介なんて誰も覚えていないから大丈夫)
(辛いと感じるのはGWまでだ)

このあと30分後には、みなさんの高校最後のクラスが決まります(というか決まっています)。私の最後の担任クラスが決まります(決まっていますし、知っています)。また泣き出す子がいるでしょうか?「誰だよ!これ決めたやつ!」とかとりあえず声を張って威嚇してくる子がいるでしょうか?不安と期待が入り交じり、何とも言えない気持ちでいっぱいです。

不安と期待の割合は、不安の方が多いでしょう。不安9割、期待1割というところだと思います。ネガティブな感情の方が強く働きますから、それは当然のことです。しかし、ネガティブな感情を引きずってはいけません。ポジティブが勝つようにしなくてはなりません。それがこの後の皆さんの課題です。

どうすればポジティブが勝つのでしょうか。てっとり早い方法を教えます。それは新クラスの子から、笑顔で

「これからよろしくね」

と言われることです。そして

「うん、よろしく」

と笑顔でこたえることです。これで心が楽になります。下を向いて、目を合わさない。スマホに逃げる、音楽に逃げる、単語帳に逃げる、前のクラスの友達へ逃げる、部活の友達へ逃げる…関わりから逃げることは、さらに自分の心を重くするだけです。

不安な気持ちに押し潰されそうなときに、壁を作って自分を守るのは止めましょう。壁の外に飛び出して、不安を打ち払ってください。その不安は自分の不安ではなく、他人の不安です。隣の席の子に、前後の席の子に、「これからよろしくね」と言いましょう。それで、前後左右で四人の不安を打ち消します。一人でも「うん、よろしくね」と返ってきたら、自分の不安も打ち消してもらえます。他人の不安を打ち消すことで、自分の不安が消えるのです。

スマホなど捨てて、新学期をポジティブに生き抜いてください。新クラスや元クラスの悪口を言って過ごす人間にはならないでください。ネガティブより、ポジティブに過ごしましょう。健闘を祈ります。

【学級通信】(第101号)さよならクラス

さよならクラス

教室

今日でこのクラスともお別れになります。このクラスが嫌だったという人もいるでしょうし、このクラスで良かったという人もいるでしょう。クラスに対する印象なんてものは人それぞれなので、いろんな思いがあると思います。先日、実施した二年生最後の振り返りを読むと、担任として足りなくてごめんね…という内容も多く、自分の足りなさを知る機会となりました。春休みにいろいろ反省し、来年度に生かしたいと思います。私からはこの学級通信を使って、このクラスに対する最後のメッセージを書きます。

本クラスは男子27名、女子14名という、男子多めクラスでした。予想通り男子がうるさいクラスになったので、迷惑を受けたという女子もいると思います。ごめんなさい。来年は女子の数も均等になる予定ですので、男女比が合わなかったことによる課題点は解消されると思います(元々、女子が多い学校ですから、女子1人程度多めクラスになると思われます…たぶん)。

私がこのクラスの男子に期待したことは、カッコいい男であってねということです。以前にも書きましたが、私はカッコ悪いやつが嫌いです(「やつ」って言い方が悪くてスミマセン)。カッコ悪いやつとは中途半端な人です。何に対しても一生懸命やらない、周囲の期待からは逃げる、文句ばかり言っている、行動力がない、自分に甘い、つるまないと行動できない、嘘をつく、強がるくせに何もできない…この辺りが私のカッコ悪いの定義です(あげればたくさんあります)。皆さんにとってはどうでも良いことかもしれませんが、これが昭和産まれのおじさんの価値観なのです。ですから、カッコ悪い姿を見かけるたびに残念な気持ちになります。なぜそう思うのか、理由は簡単です。自分も同じだからです。

自分のカッコ悪い部分は直したいと誰もが思うはずです。だから、自分と同じカッコ悪さを持っている人を見ると、恥ずかしく、情けない気持ちになるものです。カッコ悪さに気づいていない場合はなおさらイライラします。

「おいおい、あなたカッコ悪いぞ!気づけよ!それはとてもダセーぞ!」

と言いたくなります。だけど、それは自分で気づいて努力し始めた先にわかることですから、言われたところで意味不明でしょうし、ミレニアム世代の皆さんにわからないのが普通なのかもしれません。

私がこのクラスの女子に期待したことは、少ない人数でも頑張ってねってだけです。元々、女子が苦手なので、接し方もわかりませんし、泣かれたら負けですし、私が男子なのでけっきょく女子の気持ちはわからんということです(もちろん、わかるように努力はしていますし、勉強しているつもりですが…)。ただ、男子と同じで、文句ばかり言ったり、嘘を付いたり、自分に甘えて行動できないことはないようにとは思っていました。

けど、こんな期待などは私が勝手に思っていることであって、皆さんには関係ないんですよね。保護者も教員も勝手に期待をかけて、期待通り動かないからといって勝手にキレてくる。お前らどれだけ勝手なんだよ!って思いませんか?そうなんです。大人って勝手に期待をかけてくる生き物なんです。迷惑ですよね。好きに生きさせてくれよって思いますよね。けど、どんなに反発しようが、どんなに逃げようが、保護者や教員の行動が変わることはありません。子供(生徒)とは期待される生き物であり、保護者や教員は期待をかける生き物ですから。「お前には期待してないから」って言われて育ちたくないですよね?プレッシャーかもしれないけれど、押し付け感が強いかもしれないけれど、「あなたには期待している」って言われた方が良くないですか?(人によりますかね)。そんなことを考えながら、私としては、あれダメ、これダメ、あれしろ、これしろ、とにかく勉強しろ…とずっと言ってきたわけです。あんまりにも言い過ぎて、最後の方は、何を期待していたのか自分ですらわからなくなっていましたが(笑)。

最後の学級通信を書くにあたり、今までの学級通信を読み直しつつ、私が皆さんに何を期待したのかを考え直してみました。

■ 2年生で配布した学級通信リスト

第01号:困ったら助けて
第02号:所信表明2年生バージョン
第03号:学習記録
第04号:朝学習と積み重ね
第05号:席替えとマイノリティ
第06号:保護者とYDK
第07号:部活するもしないも自由
第08号:遠足と自由
第09号:定員厳格化に勝つにはコツコツやるしかない
第10号:アウトプットするということ
第11号:体育祭を前に雑談
第12号:逃げず期待に応えれば、必ず成長する
第13号:一緒に勉強する仲間を作れ
第14号:親の立場で考えると
第15号:掃除と割れた窓理論
第16号:高校2年の夏休み
第17号:臨床心理士に聞いた「教育と子育て」
第18号:勉強と振り返りと目標
第19号:本気だせ
第20号:2年2学期は大切
第21号:そろそろ文化祭がはじまる
第22号:行事は人間性がモロに出る
第23号:進路は自分で決断することが大切
第24号:大学の勝手なイメージ
第25号:修学旅行
第26号:価値ある選択
第27号:やりたいことやる
第28号:保護者会は子育てのプロの集まり
第29号:受験のスタートを切れ
第30号:友達から受ける刺激
第31号:授業中の内職
第32号:教育的正義感
第33号:塾選び
第34号:受験期はいろいろ不安定
第35号:3年ゼロ学期
第36号:指定校推薦
第37号:SNSって本当です
第38号:予測不能な報酬とSNS
第39号:高校2学期終了
第40号:新年から猪突猛進
第41号:3学期の予定
第42号:want思考
第43号:センター試験
第44号:センター試験終わる
第45号:高校生の恋愛と成長
第46号:かっこいいとはこういうことさ
第47号:人生最後の合唱祭
第48号:合唱祭終わる
第49号:学級会と目安箱
第50号:学年末と交友関係
第51号:三年での見通しその1
第52号:三年での見通しその2
第53号:バイトテロ
第54号:卒業式
第55号:サヨナラ26
第39号 二学期終了
第40号 新年
第41号 3学期の予定
第42号 want思考
第43号 センター試験
第44号 センター試験終わる
第45号 恋愛
第46号 かっこいい
第47号 音楽祭
第48号 音楽祭終わる、その後の予定
第49号 学級会
第50号 3月は大事
第51号 三年での見通しその1
第52号 三年での見通しその2
第53号 バイトテロ
第54号 卒業式
第55号 さよならクラス

■ 私が皆さんに期待すること

1.「おはよう」、「こんにちは」、「さようなら」の挨拶は先にしましょう。挨拶が早いもの勝ちです。

2.「ありがとう」、「ごめんなさい」を言えるようになりましょう。

3.人から話しかけられたら、その人の顔を見ましょう。

4.返事は「はい」と声に出しましょう。

5.受験するなら平日5時間以上、休日8時間以上、夏休み10時間以上は受験勉強しましょう(3月から)。

6.夜22時には寝て、朝5~6時に起きましょう。

7.スマホのアプリは、ゲーム系、YouTube、インスタ、Twitterはアンインストールしましょう。残して良いアプリは、学習系とLINE(連絡系)だけ。

8.学校はサボらない。とくに遅刻はダメです。

9.嘘はつかないでね。

他にも、恋愛の危険性とか掃除の大切さとか書いていくと100項目くらい出てきますが、この辺にしておきます。とにかく皆さんがカッコいい三年生になることを期待します。そして、全員第一志望に合格してください。どこかで妥協したり、諦めたりせず、まっすぐにやりたいことをやり、なりたいものを目指しましょう。希望を叶えるという姿は最高カッコいいですから。

最後に、保護者の皆様へ。至らない部分も多々あったかと思いますが、無事に?一年間が終わりました。お子さまのご卒業までもう1年間あります。もうしばらくご協力をお願いいたします。果たしてこの学級通信が保護者の方に届いていたかわかりませんが、精一杯書いてきたつもりです。来年も担任として残れた場合は、この学級通信も継続して配布していく予定です。

PS.私が2年生連続担任を持った4人の方…二年間お疲れさまでした。3年目も、もし、まんがいち一緒だったらゴメンさない…そのときは運命だと思ってください。

【学級通信】(第100号)卒業式

卒業式

卒業式

先週、球技大会が終わりました。このクラスは見事、男子サッカー準優勝でした。この日のために、昼休みに毎日毎日サッカーを繰り返し、毎日毎日教室に砂を持ってきていたことを考えると、感無量です。他の種目も惜しい試合が多く、悔しい思いもしましたが、全員出場できたことが素晴らしいと思います。私も皆さんの頑張る姿を応援しながら楽しませていただきました(他のクラスの女子からは、「煽ってくるからウザい」と言われていたようですが…相変わらず好感度は低めです(涙))。来年は球技大会がないので今回が高校最後だったことになります。(三年の球技大会は毎年卒業イベントでやっているので、どうするかは卒業対策委員の子たちしだい?)

これからは、すべての出来事に最後がつきます。

  • 最後の体育祭
  • 最後の応援団
  • 最後の委員会活動
  • 最後の部活動
  • 最後の文化祭
  • 最後のクラス
  • 最後の授業
  • 最後の制服

などなど…ついこの間、入学した皆さんは、「高校はじめてのOO」を経験して、学校生活に慣れてきたなと思ったら、もう「高校最後のOO」がやってくるというわけです。早い!とにかく早い!と思いませんか? あっという間ですよね。卒業式まで残り1年を切っていますが、気づいていましたか?

先日、卒業式が行われました。三年生が立派に卒業していきました。呼名で涙声の担任。旅たちの日を歌いながら泣いている応援団長。写真を撮りまくる三年生。黒染めのスプレーをされる三年生。囲まれる担任や部活顧問の先生。まるで女子高生のように写真を撮るママ友たち。皆さんの卒業式が来年に迫っているかと思うと、なかなか胸に来るものがありました。

卒業まで残り一年を切っています。その時間は変わりません。単位を取り、卒業の条件を満たす限り、卒業式の日取りは変わりません。みんなに共通してその日はやって来ます。皆さんがその日をどんな気持ちで迎えるのか?それはこれからの一年間(実質10ヶ月間)にかかっていると思います。

最後の高校生活に何を刻むのか?

これをちゃんと考えてください。もし、皆さんが明日、卒業するとして、

「良い高校生活だったなぁ~」

「頑張ったなぁ~」

って言えますか?将来、産まれてくるかもしれない子供たちに

「お父さん(お母さん)は、高校時代にOOを頑張ったんだよ」

って言えますか?入学時代に思い描いていた目標は達成しましたか?または達成できそうですか?まだ何もしていない人はいませんか?これってとても重要だと思うのです。

苦労する高校生活と、苦労しない高校生活、挑戦する高校生活と、挑戦しない高校生活。それはそのまま語れる人生かどうかに繋がります。おじさんになってから気づいたのですが、人間って苦労していないと語れないんですよね。そして語れない人って薄いんですよね。私はいろんなことから逃げてきたので、それはそれは薄いんですよね(涙)。逆に、英語科のOO先生はたくさん語れる人なのでいろんなことを学び、濃い人生を過ごしている人なのだと思います。日本騎兵の父と呼ばれる秋山好古さんもこう言っています。

男にとって必要なのは、 「若い頃には何をしようかということであり、老いては何をしたかということである」(秋山好古) 

 今の時代は男も女も関係ないですから、これは皆さんに当てはまることだと思います。「高校時代に何をしましたか?」と聞かれ、堂々と誇りをもって語れるもの(苦労したこと)を最後の1年間で刻んでください。

これから三年生になります。責任を持って何かに挑戦する人であってください。勉強でも、行事でも、部活でも、委員会活動でも、やり切った皆さんと共に卒業式に出られることを期待します。そのときにはたくさん苦労を語ってください。